「あたし達の負け、か」
「ユウ達、どんどん実っていくね! 今後の成長がほんとに楽しみ!」
「ネモはネモで喜んでるし……これがシュリの言うネモいって奴なのかしらね」
ゼイユはやれやれといった様子で首を横に振る。その中でムラマサは二組の間に立つとユウ達を見回し、満足げに頷いた。
「二組とも良い勝負だった。トレーナー同士やポケモン同士、そしてトレーナーとポケモンの絆はとても見事だった。よって、課題は合格としよう」
「ありがとうございます。これで僕達もオリエンテーリングは終わりだけど、この林間学校っていつまでなんだろ? スグリ君達は何か聞いてる?」
「いや、おれ達も特には……」
「でも始まってから数日経ってるし、そろそろ終わりって言われてもおかしくはないわね」
「まあそれは帰ってから聞いてみよう。とりあえず看板を読んでみて。なんだか不思議な事が書いてるから」
ハルトに促されてユウ達は看板に目を向ける。そして読み終えると、シュリは首を傾げた。
「オニガドウトカカイテルケド、タシカニフシギダシ。オーガポンニソンナノウリョクガアルトハオモエナイシ」
『これかぁ……ボク達はなんとなくこれの事を言ってるんだろうなっていう答えを持ってるけど、少なくとも鬼ちゃんの事ではないはずだよ』
「この件に関しては某達も調べを進めている。昔の事ゆえに、残存している資料が少ないのだ」
「そうですか……まあそれについては追々考える事にして、まずは記念撮影をしよう。出てきて、オーガポン」
ボールからオーガポンが出てきた後、ユウ達は記念撮影を行なった。そしてムラマサと別れ、出発する事数十分、公民館の前に到着すると、そこにはブライアと管理人の姿があった。
「ブライア先生、それに管理人さんも」
「やあ、みんな。最後の看板は見られたかな?」
「はい。全チーム、オリエンテーリング完了です」
「そうか。それなら心置きなく終わりに向かえるね」
「終わり……そういえば、林間学校っていつまで何ですか?」
ブライアは笑みを浮かべながら答える。
「今日までだよ。もう少し続けても良いと思うんだが、以前から打診していたパルデアの大穴の調査について進展があって、その件もあってグリーンアップルアカデミーと相談をした結果だよ」
「今日まで……そう、ですか……」
「少し覚悟はしていたけど、寂しくなるな……」
ユウ達が俯く中、シュリはヒレを組みながら頷いた。
「デアイガアレバワカレモアルシ。ソウイエバ、クロストライラノリュウガクハイツマデナンダシ?」
「期間は特に決めていないよ。二人はどうしたい?」
「……私はもう少しユウさんやネモさんと冒険がしたいです。学びは色々ありますし、ブルーベリー学園では得られない経験もしていますから」
「俺もハルトとアオイとまだ一緒にいますよ。その方が良さそうっすから」
「わかった。それじゃあ二人の事は引き続きユウ君達に任せるとして、みんなも明日の出発に向けて荷造りを進めてくれ。急で悪いがよろしく頼むよ」
ユウ達が頷くと、ブライアと管理人は話をしながら歩いていき、ユウ達は顔を見合わせた。
「とりあえず色々あって疲れてるだろうし、一度解散しようか」
「んだな。ねーちゃん、行こう」
「ええ。それじゃあみんな、またね」
ゼイユとスグリが家の方へ向けて歩いていくと、ユウ達は公民館の中へと入っていった。