夜、夕食を食べ終えたユウはネモとシュリと一緒に外に出ていた。
「遂に終わっちゃうね、林間学校」
「うん、そうだね。でも、林間学校に来て良かったって私は思うよ。新しい友達やポケモンとの出会いもあったし、ユウだってまたバトルを始めてくれた。それだけでも来た価値はあるよ」
「ソレハマチガイナイシ。ソレニシテモ、ミュウツーノカダイノセイデユウガエイエンニバトルヲヤメルトコロダッタシ、アノカダイニソコマデノカチヤイミハアッタノカギモンダシ」
「無いわけがないだろう、小娘」
ミュウツーが音もなく現れる。
「ミュウツー。あの課題にしたのはなんでだったの?」
「あの時に言った通りだ。そしてお前が力に魅入られる件も想定内であり、力に飲まれるならそれでも構わんと思っていた。だが、お前は友垣や新たな仲間達とのふれあいを経て力への妄執を振りきり、成長をしてみせた。我が想定していた以上にな」
「ツマリ、ユウノボウソウヤフッカツモソウテイナイダッタワケダシ。ミュウツーノテノヒラノウエミタイデシャクニサワルシ」
「ふん、知った事ではない。さて、失敗を乗り越え、お前は新たな強さを手に入れたわけだが、まだユウの事について話すわけはいかない。チャンピオンクラスの地位まで登り詰めたその時に話してやろう」
「僕の事……さいきょうの証持ちを含めたポケモン達を引き寄せる事やこのさいきょうの証が刻まれた目の事だよね?」
「そうだ。それもまたお前の強みとして活かしていくと良い。ポケモン達の言葉や気持ちを感じ取れる能力もな」
ミュウツーの言葉に対してユウが頷いていると、そこに二人の人物が現れた。
「あ、ユウ。ネモさんにシュリも」
「あ、スグリ君にゼイユさん」
「二人ともどうしたの? 夜に出歩くのは危ないよ?」
「そうなんだけど、スグがみんなのとこに行きたいって言うから」
「おれ達もそうだけど、ユウ達も明日帰るだろ? だから、最終日くらいはみんなと一緒に過ごしたかったんだ」
「お菓子やジュースも持参してるわ。ここまで持ってくるのはちょっと骨が折れたけど、みんなで楽しむためならどうって事ないわ」
スグリとゼイユの言葉にユウとネモは顔を見合わせると、どちらともなく笑みを浮かべた。
「うん、ほかのみんなも喜ぶよ」
「さあ、入って入って。迷惑にならない程度に盛り上がろう!」
スグリとゼイユが頷き、ネモと一緒に公民館の中へ入っていく中、その後にユウが続こうとしたその時だった。
「ユウ、一つだけお前についてのヒントをやろう」
「え、良いの?」
「ここでの一件に対して我が想定していた以上の働きをした褒美だ。ユウ、シンオウ地方に伝わる歴史を紐解け。そこにお前についてのヒントはある」
「シンオウ地方……うん、ありがとう。調べてみるね」
「ああ、ではな」
ミュウツーが消えると、シュリはヒレを組んだ。
「レキシ……レホールナラナニカシッテソウダシ。カエッタラキクシ?」
「うん、そのつもり。よし、僕達も中に入ろう」
「ダシ。レッツ、パーリナイダシ!」
シュリの言葉にユウは頷いた後、公民館の中へと入り、ミュウツーは静かにその様子を見ていた。