翌朝、出発の準備を整えたユウ達が公民館の前に並んでいると、ブライアと一緒に向かい合って立っていた管理人がにこりと笑った。
「皆さん、おはようございます。林間学校も終わりという事で私自身も寂しい気持ちでいっぱいです。皆さんにはともっこさまもオーガポンさまの一件で大変お世話になりましたし、鬼面衆達も皆さんのように将来有望な若者に多く出会えて良かったと言っておりました。皆さんさえ良ければ鬼面衆のように未来を担う子供達を育成する立場を目指してほしいとも言っておりましたよ」
「それは私も同感です。もちろん、みんなにはあらゆる可能性があるから、これからの人生の中でやってみたい事を見つけ、それに向けて頑張ってみてほしい。みんなが将来偉大な人物になっている事を期待しているよ」
ユウ達が頷いた後、ゼイユとスグリはブライアの隣に並んだ。
「みんな、今日まで本当にありがと。おれ、本当は林間学校に行きたくなかったんだ。ちょっとした里帰りにはなるけど、知らない相手に会う事にはなるし、バトルだって得意じゃないからそれを笑われたらどうしようって思ってた。でも、実際に来てみたらそんな事はないどころか楽しい事ばかりだったし、バトルにだって自信を持てるようになった。鬼さま、オーガポンにも会えたし」
「スグ的にはやっぱりそれが思い出深くなるわよね。あたしも来て良かったし、来てくれたのがあんた達で良かった。第一印象が最悪だったのにそんなあたしとも仲良くしてくれたし、ユウに至ってはスグにとって良い友達でライバルにもなってくれた。もう感謝しかないわ。みんな、本当にありがとね」
「こちらこそ色々ありがとうございました。あ、そうだ……忘れない内に渡しておきますね」
ユウはリュックから二冊のノートを取り出すと、それをゼイユとスグリに渡した。
「これ……もしかして約束してたノートか?」
「うん。スグリ君には栄養面が豊富な料理を、ゼイユさんには美容面に効果のある料理をまとめてみたんだ。ポケモン達も美味しく食べてくれると思うから是非作ってみてほしいな」
「あら、あたしも良いの?」
「ユウカラノオレイミタイナモンダシ。シュリタチモカンシュウシテルシ、ショシンシャデモシッパイシナイヨウニリョウリノキホンヤオウヨウテクニックマデカイテルカラダイジニスルシ」
「ええ、もちろん」
「大事にする。ありがとな、ユウ」
「どういたしまして」
ユウ達が笑い合っていたその時、そこに二人の人物が現れた。
「やあ、みんな。話には聞いていたけど、もう出発なんだね」
「サザレさん、それにジニア先生も」
「どおもどおも、みなさん。アカデミーに帰ってくる皆さんの引率をクラベル先生にお願いされたのでフィールドワークを切り上げて迎えに来ましたあ」
「私はアカツキの件でお礼がしたくてね。ユウ君、スグリ君、二人にこのポケモンを譲るよ」
サザレが二人にモンスターボールを渡すと、シュリは首を傾げた。
「ナカミハナンダシ?」
「それは出会ってからのお楽しみだ。では、私もそろそろ行くよ。みんな、またどこかで会おう」
サザレが去っていくと、ジニアは微笑んだ。
「では、ぼく達も行きましょうかあ」
「はい。スグリ君、ゼイユさん、それじゃあまた」
「うん。今度は負けないからな、ユウ」
「ブルーベリー学園にもいつか来なさいよ?」
「もちろん」
ユウ達は握手を交わした。そしてブライア達が見送る中でユウ達はアカデミーに帰るべくゆっくりと歩き始めた。