「テルとショウ……」
「どんな人達だったんですか?」
「当時で考えればとても不思議な二人だったそうだ。ヒスイ地方で初めてとなるポケモン図鑑を作ろうとしていたラベン博士が見つけたそうだが、どこか現代的な格好をしていて当時ではあるはずのない携帯端末を持っていたそうだ。少し待っていろ、私が所有している文献の中に詳しく書かれている物があったはずだ」
「わかりました」
レホールが歩いていくと、ユウ達はオーガポン達に近づいた。
「みんな、ありがとう。君達も疲れているのに無理させちゃったかな」
『これくらい構わないよ、ユウ君。あのレホールって先生もちゃんと中止してくれたしねえ』
『それに、あの老夫婦についても知る事が出来た。本当は坊っちゃんにも聞いてもらいたかったが……まあ今はおねんねしてるし、ユウの兄貴達の部屋にいるから仕方ねぇ』
『伝えんのが少し心苦しいが、こればかりは仕方ねぇさ。モモの坊っちゃんが起きるのを待ちながら覚悟を決めるさ』
『モモワロウ坊っちゃんも大層悲しむだろうけど、真実を隠さずに伝える厳しさも優しさの一つだとボク達もわかっているからね。だから平気さ』
「そっか……でも、僕達に出来る事があったら遠慮なく言ってね? 出来る限り手伝うから」
ともっこ達が頷いていると、ネモはユウに話しかけた。
「そろそろみんなを戻してあげようか」
「だね」
ユウ達は出していたポケモン達を戻していたが、その中でユウだけはボックスを開いてポケモンの交代を始めた。
「あれ、オーガポン達から変えるのか?」
「シンさんを選択なさっていますが何か理由があるのですか?」
「うん。シンも何か知っていそうだし、ちょっと出したいなと思ったから」
「ドウカンダシ。ソレニ、サイキンデバンガナカッタクララヤサザナミモイルカラ、キノウデキナカッタトックンモシチャウシ」
「うん、そうだね」
ユウがポケモンの交代を終えると、幾つかの文献を持ってレホールが歩いてきた。
「待たせたな、貴様達」
「いえ、大丈夫です。レホール先生、シンも出して良いですか?」
「シン……ああ、ユウが捕まえたというミュウか。私も見てみたいからな。良いだろう」
「ありがとうございます。よし……出てきて、シン!」
シンはボールから出てくると、ユウ達の上をグルリと回った。
『本日もボクさんじょー♪』
「シン、今からシンオウ地方の話を聞くんだけど、シンも何か知らない?」
『知ってるよ? ヒスイ地方って呼ばれてた時を含めてもう何度も行ってるからね。んで、何の話を聞くの?』
「今はテルさんとショウさんの話を聞いていたところだよ」
『テルとショウ……ああ、時空の裂け目から落ちてきたと伝えられている人間でそ? それは間違いじゃないけど、実はそれの犯人がいるんだよね』
「犯人?」
ユウが首を傾げていたその時だった。
「犯人とは失敬な。全てのポケモンに出会うという使命を与え、ヒスイへ送り届けただけですよ」
「え?」
ユウ達のそばには夏用の制服姿の長い白髪の少女がいつの間にか立っており、ユウ達が驚く中でシンは手を振った。
『おー、アルちゃん。おひさー』
「あ、アルちゃん……?」
「シン、知り合いなの?」
『そんなとこ。そしてここにいる人間の姿に化けている奴がさっき言った犯人』
シンはユウ達を見回してから少女に視線を向けた。
『その名はアルセウス、この世界の創造神だよ』