「シンオウリーグの……チャンピオン……」
「コンテスト……そういえば、シンオウやホウエンにはポケモンに衣装を着せたり技や演技で魅せたりして競いあったりするものがあるって聞いた事あるけど、それのクイーンとなると本当にスゴいんだろうね」
コウキとヒカリが見ながらユウ達が驚いていると、グラウンドにいた他の生徒達がざわつき始めた。
「あれ……シンオウリーグのチャンピオンじゃないか!?」
「コンテストクイーンまでいる……!?」
「ウソ、本物……!?」
「サイン……ああ、ノート買ってないから書いてもらうものがない……!」
周囲の様子にユウ達とコウキ達は苦笑する。
「なんだか……大事になってきちゃいましたね」
「あはは……だな。それにしても、驚いたよ。ヒカリと一緒に家でのんびりしてたらいきなりミュウが現れて、皆の衆、ポケモンバトルのじっかんだぞー! って言うんだから」
「けれど、バトルと聞いてコウキは本当に嬉しそうにしていましたね。ところで……ここはどこなんですか?」
「ここはパルデア地方にあるグリーンアップルアカデミーです。私は生徒会長のネモ、そしてクラスメートのユウとハルトとアオイ、留学生として来ているクロスとライラさんです。そしてこの子が……」
「ユウの手持ち兼偽竜の司令官として指示役もこなしているぎたいポケモンのシャリタツのシュリです」
「シュリダシ。コノカワイクテズノウメイセキナシュリヲアガメタテマツッテモイインダシ?」
シュリが胸を張りながら言うと、コウキとヒカリは一瞬驚いた後にシュリを興味深そうに見つめた。
「伝説のポケモン……じゃなさそうなのにここまで流暢に喋れるなんてスゴいな」
「ショウとしてヒスイで生活していた時にいてくれたらどれだけ助かったか……」
「チナミニ、ユウモジョウケンツキデポケモントカイワデキタリツヨイカンジョウヲカンジトッタリデキテ、ツクルリョウリノアジデホネヌキニサレタポケモントニンゲンハカズシレズダシ」
「お、そうなのか。それならイモモチを作れたりしないか? ヒスイで食べたあの味が懐かしくなって二人でたまに作るんだけど、思ったような味にならないんだよ」
「イモモチ……作った事はないですけど、レシピがあればそれ通りには作れますよ」
「本当ですか!? あたし、ムベさんのところのイモモチが本当に好きで、レシピも聞いた事があるので是非お願いします!」
ヒカリが心から嬉しそうにしていると、コウキはその姿を微笑ましそうに見ていた。
「そういうイモモチ好きで目を輝かせてるところ、ほんと可愛いよな。もちろん、コンテストでポケモン達と輝いてる時もちょっと居眠りをしてる時の寝顔もその全てが」
「サラットノロケタシ……コレガゼンセカラノコイビトノチカラナンダシ?」
「ただベタつくのはお互いに飽きちゃいましたから。でも、お互いに褒めあったり好意を態度だけじゃなく言葉でも伝えたりするのは大切です。恋人だけじゃなく友達でも家族でも」
「ポケモンに対してもな。さて、それじゃあ早速バトルを始めようか。誰から来る?」
コウキがワクワクする中、ネモは笑みを浮かべながらユウの背中を押した。
「ユウ、キミにきめた!」
「うん! ……え、僕!? バトルするのは良いけど、どうして僕から?」
「だって、一番この件に関わってるのはユウだし、この中で一番驚くようなバトルだって出来るでしょ?」
「それはたしかにね。ポケモンとのコンビで指示を出すトレーナーなんてユウ達しかいないと思うよ」
「私達の先鋒として頑張ってきてね、ユウ君!」
「みんな……」
ネモ達に見つめられながらユウは頷くと、モンスターボールを手にした。
「コウキさん、よろしくお願いします」
「ああ、こちらこそよろしく。ルールはシングルバトルで、こっちは三体出すけどそっちは手持ち全員使っても良い変則的な物にしよう。ユウ……だったな、お互いに全力でぶつかり合おう!」
「はい!」
「シュリタチノチカラ、ミセタルシ!」
シュリの言葉に頷いた後、ユウはモンスターボールを握る力を強くする。そしてネモ達やヒカリが見守る中で、ユウとコウキの手からはモンスターボールが放たれた。