ユウとコウキのバトルが白熱し、ギャラリーの生徒達から歓声が上がる中、ネモ達やヒカリに近づく人物達がいた。
「皆さん、これは一体……」
「あ、クラベル先生。それにペパーやボタンさんも」
「よう、お前達。お前達が林間学校から帰ってきてるのは事前連絡で知ってたからそれに合わせて戻ってきたんだ。それで偶然会ったボタンと校長せんせと一緒に林間学校の感想とかを聞こうとしてたんだが……」
「なんで知らん人とバトルしてるん? というか、人多すぎ……人酔いしそう」
「えーと、色々あったので説明をすると長くなるんですけど……」
ハルト達が困った様子で顔を見合わせ、レホールが愉快そうにクスクス笑っていると、クラベルは大きくため息をついた。
「はあ……まあ良いでしょう。とりあえずバトルが終わるまで待ちます。よく見ればお相手はシンオウ地方のチャンピオンのようですし、そのバトルとなれば大変勉強になるはずですから」
クラベルの言葉にネモ達はホッとした後、再びユウ達に視線を向けた。そしてオオヤマツミがやる気十分な様子で立っていると、シュリはヒレを組んだ。
「ドダイトスハシンオウ地方ノショシンシャヨウポケモンノイッピキ、ナエトルノサイシュウシンカケイデ、草/地面タイプダシ」
「氷タイプのふぶきがあるから多少は有利だけど、相棒と呼ばれてるからにはタカミムスビよりも強いんだろうね」
「ダシ。ソシテカンガエタクハナイケド、ドダイトスハしんりょくジャナクテシェルアーマーヲモッテルバアイガアルシ。インテレオンノトクセイノスナイパーデキュウショニアタッタトキニアイテヘアタエルダメージヲフヤセルケド、シェルアーマーハキュウショニアタラナクスルトクセイダカライミガナクナルシ」
「可能性がある以上、油断は出来ない……だったら、ここは他のみんなが戦いやすくなるようにするべきだね」
「インテレオンガタオセナカッタバアイノコトヲカンガエルナラソウダシ。ユウ、ヤッタルシ!」
「うん。インテレオン、なみだめ」
「レオ!」
インテレオンが目に涙を浮かべながらオオヤマツミを見る。それによってオオヤマツミが一瞬たじろいでいると、コウキは軽く目を閉じながら腕を組んだ。
「厄介な技を持ってるな……けど、これならどうだ? オオヤマツミ、のろいだ!」
「ドダイ!」
オオヤマツミがオーラを纏うと、難しい顔をしたシュリが唸り始めた。
「ウウム、のろい……スバヤサガサガルケド、ブツリコウゲキリョクトブツリボウギョリョクガアガルワザダシ。チナミニ、ゴーストタイプガツカウトジブンノタイリョクヲオオキクケズッテアイテノタイリョクヲジワジワケズルワザニナルシ」
「“鈍い”と“呪い”の二種類になるわけだね。そしてなみだめで特殊攻撃力と一緒に下げた物理攻撃力は元に戻された上に物理防御力まで上げられてしまった」
「スバヤサダウンモモトモトオソメノドダイトスカラスレバキニナラナイシ。ナカニハからをやぶるヲツカッテセメテクルコタイモイルケド、オオヤマツミハチガウヨウダカラソッチノカノウセイハカンガエズニスムシ」
「そうだね。でも油断せずにいこう。インテレオン、ふぶき」
「レオン!」
インテレオンがふぶきを発生させると、コウキはニッと笑った。
「まあそうだよな。オオヤマツミ、目の前にがんせきふうじ!」
「ドダー!」
オオヤマツミは雄叫びを上げると、目の前に岩を降らせた。そしてそれによってふぶきが防がれると、シュリは悔しそうな顔をした。
「がんせきふうじデフセイデクルトハ……」
「それだけじゃない! オオヤマツミ、ウッドハンマー!」
「ドダ!」
オオヤマツミは頷くと、背中の大樹を大きく揺らし、目の前の岩にぶつけた。すると、岩は勢いに乗って吹き飛び、そのままインテレオンに命中した。
「レオッ……!」
「インテレオン!」
「さあ、これで終わりだ! オオヤマツミ、ウッドハンマー!」
「ドダイ!」
ダメージによってインテレオンが動けない中でオオヤマツミは走ると、そのままウッドハンマーによる攻撃を加えた。
「レオ……」
インテレオンは力無く倒れると目を回し、ユウは悔しそうな顔をした。
「インテレオンまで……!」
「ジュウリョウケイノパワータイプダカラコソノセンジュツ、コレハチガウイミデヤッカイダシ」
シュリが呟いていると、オオヤマツミは両前足を叩きつけながら勝ち誇ったように鳴き声を上げた。