ポケットモンスター~偽竜の司令官~   作:九戸政景

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第三百七話

「流石だな、相棒。ウッドハンマーでダメージは受けてるけど、このまま頼むぞ!」

「ドダーイ!」

 

 

 オオヤマツミが体を大きく揺らしながら鳴き声を上げる中、ユウはインテレオンをボールに戻した。

 

 

「……やっぱりコウキさんは強い。戦い方も多彩だし、ポケモンとの絆も本当に固いみたいだ」

「ソレハシュリモカンジタシ。ケド、シュリタチダッテマケテナイシ。ダカラコソ、ソレヲシッカリトミセツケナイト……」

「それはそうだけど、どうしたら……」

 

 

 ユウはインテレオンのボールを握りながら呟く。そしてそれをしまおうとしたその時、ユウは何かを思いついたような表情を浮かべた。

 

 

「……そうだ。あの子を出せばたぶん……」

「アノコ……アア、ナルホドダシ。タシカニ、ウマクカミアエバオオヤマツミヲタオセルカノウセイハアルシ。ヨッシャダシ、ガンガンセメテイクシ、ユウ!」

「うん。行くよ、サザナミ」

 

 

 ユウの手から放たれたモンスターボールからはミジュマルのサザナミが現れた。

 

 

「ミッジュ!」

「相手は草タイプを持っているから戦いづらいと思うけど、君の力を信じて頑張っていこう、サザナミ」

「ミジュマ!」

 

 

 サザナミが腹部のホタチをぽんと叩きながら答えていると、コウキは懐かしそうな表情を浮かべた。

 

 

「……ミジュマル、か」

「コウキ、ドウカシタシ?」

「まだ俺達がテルとショウとしてヒスイにいた頃、最初の手持ちの内の一匹がミジュマルだったんだ。他にもモクローとヒノアラシがいて、そこから色々なポケモンが仲間になったけど、最初の三匹だったアイツらには本当に助けられたよ。といっても、パートナーを選ぶ時に俺がモクロー、ショウがヒノアラシを選んだら一匹だけあぶれてふて腐れてたからラベン博士に無理を言って三匹とも仲間にさせてもらったんだけどさ」

「ウチノサザナミモニタヨウナトコガアルシ。ケド、ソノアジワイハチガウッテトコロヲミセタルシ! サザナミ、きあいだめダシ!」

「ミッジュ!」

 

 

 サザナミが赤いオーラを纏いながら腕を組んでいると、コウキは楽しそうに笑みを浮かべた。

 

 

「なるほど、そういう戦い方だな。けど、怖じ気づく気はないぜ! オオヤマツミ、がんせきふうじ!」

「ドダ!」

 

 

 オオヤマツミが次々と岩を降らせると、ユウはそれを見ながら指示を出した。

 

 

「サザナミ、みきり」

「ミジュマ!」

 

 

 サザナミが流れるような動きでがんせきふうじを回避すると、コウキは感心した様子で声を漏らした。

 

 

「へえ……みきりもあるのか。急所に当てやすくしてくる上に時折みきりでの回避を挟んでくるのは厄介だな。けど、これならどうだ? オオヤマツミ、バトルコートいっぱいにがんせきふうじ!」

「ドダッ!」

 

 

 オオヤマツミがバトルコート中に岩を降らせていくと、ユウは不思議そうな顔をしながらも指示を出した。

 

 

「サザナミ、避けながら近づいて」

「ミッジュ!」

 

 

 サザナミは降ってくる岩を避けながらオオヤマツミに近づいた。そして目の前まで迫ると、ユウは再び指示を出した。

 

 

「サザナミ、つばめがえし」

「ミッジュ!」

 

 

 サザナミは腹部のホタチを手に取ると、素早い動きでオオヤマツミを切りつけた。その鋭い一撃でオオヤマツミが一瞬顔を歪め、ユウがそれに対して小さくガッツポーズをしていたその時、コウキは静かに笑みを浮かべた。

 

 

「良い一撃だな。けど、そのくらいじゃオオヤマツミは倒れないぜ! オオヤマツミ、ウッドハンマー!」

「ドダ!」

 

 

 オオヤマツミがウッドハンマーを繰り出そうとし、ユウはそれを見ながら指示を出そうとした。しかし、何かに気づいた様子で口をつぐむと、サザナミにウッドハンマーが命中し、そのダメージでサザナミはひんし状態になった。

 

 

「ミジュ……」

「……ごめん、サザナミ。戻って」

「……ユウモキヅイタヨウダシ。バトルコートイッパイニフリソソイダイワハアテルツモリガアッタモノジャナク、サザナミノウゴキヲフウジルモノダッタンダシ」

「うん、そうだね。みきりによる回避はまもると違ってスペースがあるからこそ出来るものだから。そしてオオヤマツミの特性がシェルアーマーだったからこそわざと近づかせて攻撃をさせ、みきりを使えない状態に追い込んだ上でウッドハンマーで倒してきたんだよね」

「ダシ。タダ、サッキノつばめがえし、ソシテタビカサナルウッドハンマーノハンドウダメージデタイリョクハダイブケズラレテルハズダシ。ユウ、サイテキカイハワカルシ?」

「わかってるつもり。だから……」

 

 

 ユウは別のモンスターボールを手に取ると、そのスイッチを押した。

 

 

「お願い、ホムラ」

「グオォー!」

 

 

 ホムラが気合い十分といった様子で現れると、コウキは驚いた様子を見せた。

 

 

「リザードンまでいるのか。本当に強いリザードンを持ってるトレーナーを知ってるから一瞬その人を思い出したぜ」

「それってもしかして……」

「ああ、カントー地方のチャンピオン、レッドさんだ。さて、ユウのとこのリザードンはどんなもんか見せてもらうぜ!」

「もちろんです。そして見せてあげますよ、パルデア流の戦い方を」

 

 

 ユウはテラスタルオーブを取りだすと天高く投げ上げた。そしてホムラがドラゴンタイプにテラスタルすると、コウキの頬を一筋の汗が流れた。

 

 

「こ、これがもしかして……!」

「はい、テラスタルです」

「テンヲマウコクリュウノソコヂカラ、オガマセタルシ!」

 

 

 ホムラは自身を見つめるコウキとオオヤマツミを見ながら辺りに響き渡る程の雄叫びを上げた。

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