ポケットモンスター~偽竜の司令官~   作:九戸政景

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第三百十三話

「さて、さいきょうの証を持ったポケモン達ですが、このポケモン達は試練のために私が創り出したポケモンなのです」

「試練?」

「はい。あなた方は様々な色の水晶が地面から突き出ているのを見た事がありませんか?」

「水晶……あっ、もしかして私がキタカミでジャラコをゲットした時にあった水晶がもしかしてそれ?」

 

 

 アルセウスは頷く。

 

 

「その通りです。その水晶はテラレイド結晶という名で、限られた者しか視認が出来ず、それに触れる事で別空間に移動して私が用意した強力なポケモンとのバトルが可能となります。因みに、一度に戦えるのは四人までで、同時に触れればそのメンバーで戦えますが、四人に満たない時は補填として私が用意したトレーナーが味方となります。もっとも、それを始めたのはおよそ140年前からで視認出来た者もほんの一握りでした」

「それじゃあホムラ達も本当はそういうポケモン達だったんだ……」

「はい。さいきょうの証はその中でもより強力にしたポケモン達に与えた称号であり、寿命を終えたさいきょうの証持ち達は再びテラレイド結晶の中に戻るという形で何事もなく時は過ぎていきました。しかし、ここ最近になって異変が起き始めました」

「異変……本来ならテラレイド結晶の中にいるはずのポケモンが外にいる事ですか?」

 

 

 アルセウスは頷きながら答える。

 

 

「その通りです。元から結晶外に配置したポケモンもいる事はいますが、さいきょうの証持ち達は当然違います。なのですが、10年ほど前から時空に異変が生じ始め、その異変はやがて大きな歪みとなってテラレイド結晶に影響を与え始めました。その結果、テラレイド結晶自体に深刻なバグが発生してしまい、結晶内の空間の消失によって中にいたポケモンは追い出され、ポケモン達の時間も逆行させられた事で進化前まで戻された上に記憶まで消失してしまいました。しかし、内に秘める力その物は残っているので、それを維持するために非常に多くのエネルギーを必要とし、現在はその力を満足に活かしきれていないといった状態になっています」

「ダカラ、キホンテキニオナカペコペコダッタコタイガオオカッタンダシ……デモ、シンタチガキオクヲウシナッタリシテイナイノハナンデダシ?」

「伝説のポケモンではありますから、私が認めたトレーナーが現れるまでは結晶外にいて、好きなように過ごしてもらう事にしました。二匹ともそう簡単には人間の前に姿を現さない事を約束してくれましたが、キタカミでは少々手荒な真似をしたようですね」

『だって、仲良くなった鬼ちゃんが大変な事になってたんだもん。それに、ユウの両親と出会うまでは他の人間の前には姿を見せてないんだから良いっしょ~?』

「はあ……まあ良いです。そして、流石にこれはいけないと判断した私はよりこの世界の監視をキツくし、さいきょうの証を持ったポケモン達が結晶外に追い出された後はその行方を追いました。ただ、貴方に寄せ付けられているようだったので貴方ならば問題ないと考えてさいきょうの証持ち達の行く末を貴方に委ねました。貴方ならば適切な判断を下してくれると思っていましたから」

「結果的にユウはさいきょうの証持ち達と絆を深め、先程のような見事なバトルを見せてくれたからな。ククク……しかし創造神からここまでの話を聞ける機会に恵まれるとは思っていなかったぞ」

 

 

 レホールが嬉しそうに言う中、ハルトは難しい顔をしながら顎に手を当てていた。

 

 

「ハルトさん、どうかされましたか?」

「なんか気になる事があったか?」

「……うん、少しね。さっき、アルセウスはさいきょうの証持ち達は試練のために創り出したと言っていた。そしてユウの眼にも片目だけではあるけれどさいきょうの証が刻まれているし、ユウの状態についてはアルセウスも関わっていると言っていた。そこが引っ掛かるんだ」

「さいきょうの証持ちはアルセウスが創り出した……」

「……え、そんなまさか……!?」

 

 

 ユウとシュリ、そしてハルトを除いた全員の視線がユウに集中し、ユウが軽く俯く中、ハルトはアルセウスに視線を向け、真剣な表情で口を開いた。

 

 

「ユウも本当はあなたが創り出した存在。そうなんじゃないか、アルセウス」

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