ポケットモンスター~偽竜の司令官~   作:九戸政景

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第三百十六話

 夜、ユウとハルトの部屋にはコウキやクロス、ペパーの姿があった。

 

 

「夜にこんなにいっぱい人がいると、なんだかこの部屋でお泊まりをするみたいだね」

「そういや、キタカミでも一人一人個室があったから、全員で一個の部屋に泊まるって事はなかったし、いつかやってみたいな」

「へへっ、だな! その時は俺とユウで色々な料理を作ってやるよ!」

「うん、しっかり腕を振るうね。そういえばコウキさん、さっき電話がかかってきていたようですけど、誰からだったんですか?」

「ジュンっていう幼馴染みだよ。ヒカリとパルデアに来ていて、テラスタルを生で見たって言ったらスゴく悔しがってた」

「ソレニカンシテハシカタナイシ。ソレニシテモ、ユウニトッテハホントウニイロイロナコトガアッタイチニチニナッタシ」

 

 

 ユウが頷く中、ハルトは心配そうな顔をした。

 

 

「ユウ、本当に大丈夫? 具合が悪いとかはない?」

「うん、大丈夫だよ。こうして心配してコウキさんやペパー先輩達も来てくれたわけだしね。でも、真実が本当に気になるよね」

「ユウガナニモノダロウトベツニキラウキハナイケド、ユウノリョウシンガナニモノナノカハキニナルシ。モシ、ホントウニドッチカガポケモンナンダッタラ、フシギナソンザイトシテツケネラッテクルワルイヤツダッテデテクルシ。ソレハゼッタイニソシスルシ!」

「そうだな。このパルデアには悪の組織みたいなのは無さそうだけど、いつギンガ団みたいなのが出てきてもおかしくはないからな」

「ギンガ団?」

 

 

 コウキは静かに頷く。

 

 

「シンオウ地方で色々な悪さをしていた奴らなんだ。そのボスだったアカギは心なんていう不完全で曖昧な物なんていらないって言って、伝説のポケモンの力を利用する事でそんな世界を創ろうとしていた。それはどうにかしたし、ギンガ団の幹部達は改心させたけど、やっぱり複雑な気持ちではあったな……」

「トイウト?」

「ギンガ団ってさ、俺達がまだヒスイにいた頃にお世話になってた組織と同じ名前なんだよ」

「え……」

「その時にお世話になってた人の中にシマボシっていう人がいたんだけど、どこか面影もあったし、たぶんシマボシさんの子孫がアカギなんだと思う。シマボシさんも感情に身を任せるなっていう感じの考え方はしてたし、子孫じゃなかったとしても何らかの関係はあったんだろうな」

「ケッキョク、アカギハドコニイッタンダシ?」

 

 

 コウキは哀しそうに首を横に振る。

 

 

「ギラティナっていうポケモンがいたやぶれたせかいから連れ戻した後、心が不完全で曖昧な物である事を改めて見定めるためって言ってどこかに行っちゃったよ。アルセウスに会う俺達の姿を見たくないって言ってどこかに行ったウォロさんのように」

「ウォロさん?」

「イチョウ商会っていうところの商人で、ヒスイにいた頃に俺もヒカリもお世話になってた人だよ。ただ、その正体は古代シンオウ人の末裔だったみたいで、アルセウスを従えて世界を再創造しようとしてたんだ」

「ツマリ、コウキトヒカリハゼントコンセヲアワセテニカイモセカイヲツクロウトシタヤツヲアイテシテキタワケダシ」

 

 

 その言葉にペパーは苦笑いを浮かべる。

 

 

「なんつーか……スケールでか過ぎちゃんだな」

「たしかに……というか、世界を創り直そうとしたって仕方ないだろ」

「イキスギタカンガエハシュリニモワカランシ。ソレニシテモ、ハナシテタカラチョットコバラガスイタシ。ユウ、ナンカツクルシ」

「それは良いけど、食材の買い足しは明日にする予定だったからサンドイッチくらいしか作れないよ?」

「モンダイナイシ。サア、ハヤクツクルシ。ジャナイトペシペシノケイダシ」

「はいはい。みんなの分も作るからちょっと待っててね」

 

 

 シュリをベッドの上に置いたユウがキッチンに向かうと、ハルトはシュリを見ながらクスリと笑った。

 

 

「小腹が空いたのは本当だろうけど、今のはユウに気を遣ったんだよね?」

「アノママダトマタハナシガモドルトコダッタシ。ソレニ、イマハチガウケドマエノユウハキモチヲオチツケルタメニリョウリヲシテイトキモアッタカラ、リョウリヲシテイレバキモマギレルシ」

「たしかにな。うっし、俺も手伝ってくるか。ユウ、何をやれば良い?」

 

 

 ペパーが近づいていくと、ユウは嬉しそうに答えた。そして様々なサンドイッチが出来上がり、それを食べながらユウ達が楽しそうに話をしていると、コウキはポツリと呟いた。

 

 

「……アカギとウォロさんにユウを会わせてみたいな」

「え?」

「たぶんアカギの考えは変わらないし、ウォロさんもアルセウスに会ったって聞いたら悔しがると思う。でも、二人ともバトルの時は真剣だったし、ポケモンバトルは自分と相手の心の対話でもあると思ってる。だから、シュリと心を通じ合わせて協力して戦うユウの姿を見たら少しは何か変わるかもしれない。そう信じたい」

「コウキさん……」

「でも、たしかにそう信じたいですね。会う機会があるかはわからないですけど、その時はしっかりと話してみたいです」

「ダシ。ハナシテモダメナラシュリノペシペシデナントカシタルシ!」

 

 

 シュリが胸を張りながら言うと、ユウ達は楽しそうに笑い始めた。そして夜が更けていく中、ユウ達はポケモンやパルデアなどの事についての話に花を咲かせていった。

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