翌朝、ユウ達はコウキとヒカリと一緒にグラウンドに立っていた。その周囲には多くの生徒やクラベルを始めとした教師達が立っており、その光景にコウキは苦笑した。
「あはは……わかってはいたけど、だいぶ緊張するな。これまで何かを教える事はあっても、こんなに多くの人の前っていうのはなかったし」
「申し訳ありません。本当はもう少し規模を小さくする予定だったのですが、昨日のバトルが瞬く間にアカデミー中に広まり、お二人がいらっしゃるならば是非教えを受けたいという声が多く寄せられたので急遽現在校内にいた生徒全員参加での特別授業という形にさせていただきました。尚、この授業の様子は録画をして、今後も教材の一つとして活用させていただく予定です」
「わかりました。ユウ達もありがとうな。今朝いきなり手伝ってくれって言ったのに」
「大丈夫です。そういえば、この授業のために手持ちをコウキさんが指定した条件で統一してほしいと言われましたけど、どんな授業にするんですか?」
ユウの問いかけに対してコウキは頷いてから答えた。
「それなんだけどさ、俺は本職の先生や学者の人達みたいに小難しい話は出来ない。やっぱり俺に出来そうな授業っていうとバトルを通じて戦い方を解説するくらいだと思ったんだ。だから、少しテクニックがいるダブルバトルでそれをやっていくよ。そしてこの後はネモとヒカリがバトルするんだけど、ヒカリの方はコンテストバトルをイメージした魅せるバトルをテーマにした授業をするつもりだ」
「ツマリ、ハルトヤアオイタチハソノカイセツノオテツダイヤクトイウコトダシ?」
「ああ。余裕があればみんなともバトルしたいけどな。さて、それじゃあ早速始めていこうか」
「はい。よし……行こう、オーガポン、ウネルミナモ!」
ユウの手から放たれたモンスターボールからはオーガポンとウネルミナモが現れ、その姿にコウキは驚いた。
「見た事ないポケモンだな……そのポケモン達はどんなポケモンなんだ?」
「オーガポンはキタカミの里で出会ったポケモンで、被るお面に応じたタイプと特性になれるんです。テラスタルをするとまた違った特性になれますし、この子だけの専用技もありますよ」
「ぽに!」
「ウネルミナモハシュリタチニトッテモマダマダナゾガオオイポケモンダシ。ミタメハスイクンミタイダケド、ハレノホウガトクイダシ、ホノオタイプノワザモアヤツルナカナカノツワモノダシ。ニタイトモホントウニツヨイカラ、ユダンシテルトソノツヨサノマエニタオレルコトニナルシ」
「なるほど、片方はフォルムチェンジみたいなのが出来て、もう片方は見た目に惑わされると厄介な事になるタイプか。だったら、こっちは……頼んだぞ、ミナカタ、シュヤ!」
コウキが投げ上げたモンスターボールからははどうポケモンのルカリオとかぎづめポケモンのマニューラが現れた。
「くわんぬ!」
「ニューラ」
「ルカリオ、ソシテマニューラ……マニューラハ悪/氷タイプノポケモンデ、スバヤイウエニブツリコウゲキガキョウリョクナイメージガアルシ。ソシテルカリオダケド、格闘/鋼タイプノポケモンデスバヤイウゴキトハバヒロイコウゲキセイノウガヤッカイダシ。タダ、ホカニモ波導ガカナリヤッカイダシ」
「波導?」
「簡単に言えば、相手の姿や心情をキャッチする能力で、目を瞑っていても集中すればそれらの事がわかる上にそれを弾として撃ち出せる。これははどうだんという技で、格闘タイプの特殊技なんだけど、相手に必ず当たる技なんだ」
「マジカルリーフヤスピードスタートオナジカンジダシ。タイショスルニハゴーストタイプヲダスカまもるヤみきりヲツカウコト、ホカニハゴーストダイブヲツカウコトニナルシ」
「なるほど……ルカリオか、見た目もカッコいいし、旅の中で出会えたら仲間にしたいな……」
ユウが羨ましそうに言っていると、コウキは笑みを浮かべた。
「その気持ちはよくわかるぜ。さて、それじゃあウチのミナカタとシュヤの力、そのコンビネーションをとくと味わってもらうかな」
「僕達だって負けません!」
「レキシノツミカサネニヨルチカラ、オモイシルシ!」
生徒達がワクワクした様子で見つめる中、ユウとコウキの特別授業という名の戦いの幕が上がった。