「サテ、マズイコトニナッタシ。コノママダトゼンインミナカタニヤラレルカノウセイガアルシ」
「ど、どういう事?」
ユウが驚く中、コウキは笑みを浮かべる。
「他にもわかってない人がいるだろうし、順番に説明するよ。まず、ふくろだたきは悪タイプの物理技で自分を含めたひんし又は状態異常になっていない手持ちの数だけ攻撃が出来るんだ。だから、俺はシュヤにそれを指示してミナカタを攻撃させた」
「けど、本来は味方には当たらない技でわざわざ味方を攻撃するメリットなんて……」
「ソレガアルンダシ。ルカリオノトクセイノナカニハ、アクタイプノワザヲウケルトブツリコウゲキリョクガアガルせいぎのこころガアルンダシ。ソシテ、ミナカタハふくろだたきヲロッカイモウケタ。ケッカ、コウゲキリョクガアガリキラナイトコロマデアガッテシマッタンダシ」
「それに加えて、ミナカタは全体に攻撃出来る技を持っていて、シュヤはそれから身を守れるから本当にマズイ事になったって言ってたんだね」
「リカイガハヤイノハタスカルシ。タダ、ヒトツダケテハアルシ」
「そうなの?」
シュリは頷く。
「ダシ。オーガポン、グラスフィールドダシ!」
「ぽに!」
オーガポンは大きく頷くと、両手を大きく広げた。すると、バトルコート中に草が生い茂り、コウキは小さく声を漏らした。
「なるほど、考えたな」
「グラスフィールドってたしか地面に立っているポケモンの体力を徐々に回復する技だったよね? それじゃあ相手も回復しちゃうんじゃ……」
「グラスフィールドノコウカハソレダケジャナイシ。クサタイプノワザノイリョクヲアゲラレルトイウノモアルケド、じならしヤじしん、マグニチュードトイッタワザデウケルダメージヲハンゲンサセラレルンダシ」
「つまり、相手に回復させてしまうリスクを背負ってでもダメージを減らしたり草タイプの技の威力を上げたりする方を選ぶ必要があったわけだね」
「キョウノユウハサエテルシ。ソレナラ、イマヤルベキコトハワカルシ?」
「うん、もちろん」
ユウは頷くと、右手を前に伸ばした。
「オーガポンはせいちょう。そしてウネルミナモは……足元の草にかえんほうしゃ!」
「なっ!?」
「ダシ!?」
コウキとシュリが驚く中、ウネルミナモはかえんほうしゃを吐き出した。
「ナ、ナニシテルシ!? ソンナコトシタラ、グラスフィールドノコウカガナクナルシ!」
「想定外の事をしたのはごめん。でも、これが最適だと思ったんだ。正直、ちょっとした賭けだけどね」
「カケ?」
シュリが首を傾げていたその時、グラスフィールドで生えていた草が燃え始めた。そしてその中でオーガポンとウネルミナモは平気そうな顔をしていたが、ミナカタとシュヤは辛そうな顔をしており、シュリはそれを見ながらヒレを打った。
「ソウイウコトカダシ! ホノオタイプヲモッテルオーガポント水/ドラゴンタイプノウネルミナモハコレデモヘイキダケド、ハガネタイプヤコオリタイプヲモッテルミナカタトシュヤニトッテハゼッタイツライシ!」
「前にほのおのちかいやくさのちかいっていう技があるのを聞いた事があるんだ。それ単体だとただの攻撃だけど、組み合わせる事で合体技になるって」
「コンカイノハほのおのちかいトくさのちかいノクミアワセヲギジテキニサイゲンシタワケダシ。キョウノユウハホントウニサエテルシ」
「ありがとう。そしてこの状態ならじしんだって使う余裕もない。だから、このまま!」
「ダシ! ヤッタルシ!」
シュリの言葉にユウは大きく頷いた。