ポケットモンスター~偽竜の司令官~   作:九戸政景

326 / 419
第三百二十四話

 ヒカリの言葉にネモが軽く警戒する中、ヒカリは優雅に一礼した。

 

 

「では、始めましょう。アトゥイ、バトルコートにハイドロポンプ。コンルはれいとうビームです」

「エンペ!」

「メノウ」

 

 

 アトゥイがバトルコートをハイドロポンプで濡らし、コンルがそこへ目掛けてれいとうビームを放つと、バトルコートの一角は氷のステージへと変わっていった。

 

 

「……スケートリンクみたいにした事はあるけど、ここまで綺麗なステージにした事はない。本当に綺麗……」

「コンテストバトルは普通のバトルのように相手をひんし状態にする事でも勝利を手に出来ますが、他にも相手に技を当てたり逆に避けたりして相手のポイントを減らす事でも勝利出来ます。なのでアタシは、自分に有利な状況を整え、自分のペースに相手を巻き込んで戦う形にしています」

「実力はあるから普通のポケモンバトルのやり方でも勝てるし、自分のペースに巻き込んで相手に自由に戦わせない事でポイントを削って勝つ事も出来る。相手からすればかなり厄介ですね」

「それを崩された時に立て直すのが大変ですけどね。さあ、始めていきましょう。アトゥイ、コンル、イッツショータイム!」

 

 

 ヒカリは指を鳴らす。すると、アトゥイは足でリズムを取り始め、コンルは降りしきる雪の中を舞い始めた。

 

 

「な、なに……?」

「この子達のショーが始まったんです。本来、ダブルバトルでのコンテストは大きな大会でのみ行なわれますが、今日は特別公演です。存分にお楽しみください」

「何も考えずに楽しみたいですけど、こっちだって勝つ気でいますからね! イイネイヌはコンルにサイコファング! ヒンバスもコンルにハイドロポンプ!」

「ヌンダッ!」

「ヒンバッ!」

 

 

 二匹は同時にコンルに攻撃をしかけた。しかし、雪の中を華麗に舞うコンルには当たらず、ネモは悔しそうな顔をした。

 

 

「やっぱりゆきがくれの特性……! ゆきげしきを使ってきた時点でそうかなって思ったけど、当たらないのは厄介だね……!」

「これも作戦の一つですから。アトゥイはイイネイヌにうずしお、コンルはアトゥイをサイコキネシスで浮かせてください」

「エンペ!」

「メノ」

 

 

 アトゥイはサイコキネシスによって浮くと、イイネイヌの視線が追う中でイイネイヌに向けてうずしおを飛ばした。

 

 

「ヌン……!」

「イイネイヌ!」

「これでイイネイヌの動きは封じました。そしてヒンバスのミラーコートがまだ厄介なのでそれも対処しましょうか。アトゥイ、ダブルウイングです」

「ペル!」

 

 

 サイコキネシスで浮遊していたアトゥイはその勢いを利用したダブルウイングでヒンバスを攻撃した。

 

 

「ヒバッ……!」

「ヒンバス!」

 

 

 そしてそれによってヒンバスがひんし状態になると、アトゥイは氷のステージに着地した。

 

 

「さあ、フィナーレです。アトゥイ、その上を滑りながらうずしおの中のイイネイヌに向けてダブルウイング。コンルはサイコキネシスでイイネイヌの動きを止めてください」

「ペルト!」

「メノ」

 

 

 うずしおの中のイイネイヌが動きを止められる中でアトゥイは氷のステージを滑り、勢いを利用してダブルウイングで攻撃をした。

 

 

「ヌンダ……!」

「イイネイヌ!」

 

 

 ダブルウイングによってうずしおが砕けちり、雪と共にその場に散らばると、目を回したイイネイヌは倒れ、テラスタルが解除された。

 

 

「イイネイヌ……ヒンバス……」

「これにて終演です。ご覧頂きありがとうございました」

 

 

 ヒカリが優雅に一礼をすると、氷のステージの上に移動していたアトゥイとコンルも続けてお辞儀をした。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。