その日の夜、ユウとハルトの部屋にペパーとコウキが集まっていた。
「さて、今日もこうして集まったけど、本当に良かったのか? 俺がまた集まりたいって言ったら、ユウ達が今夜も良いって言ってくれたからこうして集まったけどよ」
「うん。僕達も楽しかったし、もう少し色々話したかったから」
「そうだね。そういえば、コウキさん達はいつ頃までパルデアに滞在しますか?」
「うーん……そんなに長くいても校長先生達に申し訳ないし明後日までかな。だから、明日と明後日はパルデアの名所とかを廻りたい。もちろん、朝にヒカリと相談するけどな」
「ソレガイイトオモウシ。チナミニ、シュリタチモ早業トカ力業ガツカエルヨウニナルンダシ?」
コウキは少し困った顔をする。
「そうだな……あれって好きに使えるものでもないし、技が皆伝してないといけないしなぁ」
「皆伝?」
「ああ。ポケモンが成長すると持ってる技が皆伝になって、その技は早業と力業として使えるようになるんだ。ただ、ユウ達も気づいたように力業は技の出が遅くなる代わりに威力が格段に上がって、早業は威力が下がる代わりに技の出が速くなる。そしてそのどちらかとして使った技は通常で使い続けるよりも早く使えなくなる。だから、そこに気を付けないと自分の首を絞める事にも繋がるから本当に注意だな」
「なるほ……ん?」
「ユウ、どうした?」
クロスの問いかけにユウは答える。
「あ、うん。部屋の前から気配がして……」
「ケハイ……ヘヤノマエニイルヤツ、ショウタイヲアラワスシ!」
シュリがドアをヒレで指していると、ドアを開けて人間の姿のアルセウスが入ってきた。
「皆さん、こんばんは」
「アルセウスか。俺達に何か用か?」
「はい。あなた方、正確にはユウに会わせたいポケモンがいるので迎えに来たのです」
「僕に会わせたいポケモン……」
「キニハナルケド、ワザワザアルセウスガショウカイスルアタリ、タダモノデハナサソウダシ」
「ふふ、どんなポケモンなのかは来ていただいてからのお楽しみです。では、参りましょうか」
頷いた後、ユウ達は立ち上がり、アルセウスと一緒に部屋の外に出た。そしてそのまま歩いていくと、屋上のグラウンドに着き、そこにいたネモ達にアルセウスは声をかけた。
「皆さん、お待たせいたしました」
「ん……あっ、ユウ達だ! やっほー!」
「ネモ、それにアオイちゃん達も」
「ボタンも呼ばれてたんだな」
「呼ばれてたっていうか……ネモ達に元々呼ばれてて、部屋で話してたらアルセウスが来たんよ。ウチ達に見せたいポケモンがいるからって」
「なるほどなー。それでアルセウス、こうして俺達を呼んでまで会わせたいポケモンってなんなんだ? 誰もいなそうな時間に呼んだって事は珍しかったりあまり見られたくなかったりするポケモンなんだろ?」
「その通りです。では、そろそろ出てきてもらいましょうか」
アルセウスは指を鳴らす。するとバトルコートに黒い影が広がり始め、その中心に二つの赤い光が灯った。
「な、なに……!?」
ユウ達が警戒していると、影から何かが姿を見せ、幾つもの足を持った大きな体が現れると、アルセウスはニコリと笑った。
「コウキ、ヒカリ。あなた達にとっては馴染み深いですよね」
「……そうだな」
「コウキさん、このポケモンは……?」
コウキは喉をゴクリと鳴らしてから答えた。
「ギラティナ、やぶれたせかいにいるポケモンだ」