「りゅうせいぐん……」
「タシカニりゅうせいぐんハキョウリョクダシ。タダ、イリョクハタカイケド、ツカッタラトクシュコウゲキリョクガオオキクサガルンダシ」
「ドラゴンタイプ版のオーバーヒートって感じだね。だから、使いどころを考えないと後々戦いづらくなるし、相手に手の内を晒す事にも繋がるよ」
「なるほど……ハッサク先生、それを伝授してくださるということなんですが、どうしてりゅうせいぐんを教えてくださるんですか?」
ハッサクは腕を組みながら答える。
「ユウ君のバトルを観て感じたのです。ユウ君達ならりゅうせいぐんを使っても問題はないと。ただし、りゅうせいぐんを覚えられるのはほとんどがドラゴンタイプとなっていて、リザードンは覚えられません。よってお教えできるのはシュリ君になりますね」
「シュリに……シュリはりゅうせいぐんを覚えたい?」
シュリは大きく頷いた。
「オボエルシ。イマモりゅうのはどうガツカエルケド、りゅうせいぐんヲカクシダマトシテモッテオケバ、イザトイウトキニヤクニタツシ。ハッサク、サッサトオシエルシ」
「わかりました。シュリ君、まずはお腹の辺りに力を込めてください」
「オナカノアタリ……」
シュリはヒレで腹部を押さえた。
「イメージとしてはお腹の中にエネルギーの弾を作るような感じです。そしてそれが出来てきたと感じたらお腹に更に力を込めて撃ち出すのです!」
「エネルギーノタマヲ、ウチダス……!」
シュリの腹部が金色に光り出すと、シュリは目を静かに閉じた。そしてカッと開いた瞬間に口からエネルギー弾が飛び出すと、エネルギー弾は空へ上がっていき、やがて大きな爆発を起こして四方八方へと落ちていった。
「こ、これって……!」
「ええ。りゅうせいぐん、成功です。一度で成功するとは思いませんでしたが、これもまたシュリ君の飲み込みの良さがなせる技なのでしょうね」
「フフンダシ。シュリノスゴサ、オモイシッタシ?」
「うん。りゅうせいぐんを覚えたのは良いけど、代わりに忘れたのはある?」
シュリはヒレを組む。
「ウーム……タブンりゅうのはどうダシ。ケド、ベツニカマワナイシ。マダハイドロポンプヤこごえるかぜガアルカラ、ソレヲイカシテりゅうせいぐんヲキメテイクシ!」
「だね、そうなると色々考えないといけないね」
「それなら何度でもバトル付き合うよ! 今からでもバトルしたいくらい!」
「ネモイシ……ケド、ソノムネハカリタイトコロダシ。タダ、サッキノバトルノシジトイマノワザノシュウトクデクタクタダシ。ナンカネムネムダシ……」
「うん、だったら少し眠ってて良いよ」
「オコトバニアマエルシ。ソレジャアオヤスミダシ」
シュリは目を閉じると、そのまま小さく寝息を立て始めた。そしてユウはシュリを頭の上から下ろすと、その背中を優しく撫でた。
「おやすみ、シュリ。シュリを起こしちゃ悪いし、次の授業まで少し部屋にいようかな」
「それが良いと思います。では、小生はこれで失礼します。ユウ君、本当にありがとうございました」
「いえ、こちらこそりゅうせいぐんを教えていただきありがとうございました」
「どういたしまして。それでは」
ハッサクが去っていくと、ユウ達は静かに頷き合い、バトル学の授業を受ける生徒達とすれ違いながらユウとハルトの部屋に向けて歩き始めた。