数分後、落ち込むリオルの頭をオーガポンが撫で、ネモが手当てをする中、ユウはピクニックの準備をしていた。
「……よし、後は料理だけ。オーガポン、リオルは大丈夫そう?」
「ぽに! ぽに、ぽにおーん!」
「ダイジョウブ! ナキヤンデクレタシ、イイコミタイダカラ! ッテイッテルシ」
「たしかに手当て中に暴れたりしないし、本当は我慢強い子なのかも」
「寄ってきた辺り、好奇心旺盛なところもあるかもね」
「だね。さて、それじゃあパパッと作っちゃうね」
ユウは息を吸うと、深く息を吐いた。そして真剣な表情を浮かべながら料理を手際よく作り始めた。
「なんというか……ユウが料理をしてる姿って普段と雰囲気が違うから別人みたいに見えるよな」
「そうですね。大人びて見えるというか、決して妥協する気のないストイックさすら感じます」
「ストイックさ……そういえば、キタカミで一度見た厳しい態度の時のユウにも少し似ている気がする。あと、雰囲気だけならミュウツーにも」
「ミュウツー……たしかに言われてみればそうだね。声や口調はユウ君だけど、冷たさとかそういうのはミュウツーに近かったのかも」
「シンやミュウツー、アルセウスは何か知ってそうだよな」
「はい。今はお話をしてくださらないと思いますが、いずれは詳しくお話をきかないといけませんね」
ハルト達が話をする中、ユウは静かに料理を続ける。そして数十分後、幾つか繋げたテーブルにはサンドイッチを始めとした様々な料理が並んだ。
「……よし、出来た。みんな、出来たよ」
「おっ、やっぱり美味そう。ヒスイ地方にいた時は、ムベさんにイモモチや他の料理をよく作ってもらってたけど、ムベさんにも食べてもらいたかったなぁ……」
「初めは警戒すると思いますが、ユウさんの人となりを感じてすぐに受け入れそうですね」
「あはは、だったら良いんですけどね。さて、食べましょうか」
それに対してネモ達が頷き、手持ちポケモン達がモンスターボールから出てくると、その姿にリオルは怖がり始めた。
「リ、リオ……」
「大丈夫だよ、リオル。オーガポン、リオルの事をお願いしても良い?」
「ぽに」
オーガポンが頷いた後、ユウ達は揃っていただきますと言った。それぞれの手持ちが料理を美味しそうに食べる姿にネモ達が微笑む中、ユウは手持ち達と一緒にオーガポンとリオルに近づいた。
「リオル、少しは警戒を解いてくれたかな?」
「リオ、リオリオオール」
「ウン、キミタチナラコワクナイヨ、トイッテルシ。コノリオルハオクビョウナセイカクミタイダシ。ナンカデアッタコロノユウミタイナフンイキダシ」
「今だって別にそんなに変わってないけどね。それで、僕達に近づいてきたのはどうして? やっぱりバトルするため?」
「リオオ、リオオルリオ」
シュリは頷いてから通訳をした。
「ソウダケド、キョウミヲヒカレタノモアルンダ、ッテイッテルシ」
「ぽに、ぽにぽにお?」
「ユウクン、コノコハドウスルノ? トイッテルシ」
「ゲットはしたいな。もちろん、リオル自身が望むならだけどね」
「ギゴギガーゴ」
「オマエラシイナ、トイッテルシ」
「ふふ、そうかもね。リオル、君はどうしたい?」
ユウの問いかけにリオルは少し考えてから答えた。
「リオオールリオ!」
「バトルハシタイ! トイッテルシ」
「リオ、リオオルリオール!」
「ダカラ、トックンヲシテホシイ! トイッテルシ。ユウ、ドウスルシ?」
「うん、もちろん良いよ。お互いに悔いのないバトルをするために特訓を頑張ろうね」
「リオ!」
ユウの言葉にリオルは大きく頷いた。