ピクニック後、ネモ達が見ている中でユウとリオルはコウキとミナカタと向かい合っていた。
「さて、特訓というわけだけど……どんな風に育ちたいかによって方針も変わってくるから、まずはリオル自身の意見が聞きたいな」
「たしかにそうですね。リオル、君はどうなりたい?」
リオルはユウを見上げながら答える。
「リオリオ、リオール!」
「ブツカッテイクノハトクイジャナイケド、コウゲキヲシテイクノガトクイニナリタイソウダシ」
「それじゃあ特殊技で攻めていく感じだね。シュリ、使える技を聞いてもらって良い?」
「ガッテンダシ!」
シュリはヒレで胸を叩いた。そしてリオルと会話をすると、シュリは頷いてからユウに話しかけた。
「メタルクロートふるいたてる、フェイントニこらえるミタイダシ」
「物理メインって感じの技の組み合わせだね」
「ホンニンノノゾミトハコトナッテイルカラコソヤリヅラサヲカンジテソウダシ。チナミニ、ルカリオニナルトリオルジダイトハマタチガッタサポートモデキルカラ、ソレハソレデミリョクテキダシ」
「なるほどね。まあそれは置いておくとして、リオルが使える特殊技って何があるかな……」
「しんくうはとかスピードスターとかがあるな。あとは頑張ればリオルの時点ではどうだんは使えると思う。だから、その辺りを覚えていこう。ギラティナ、お前はどうする?」
ギラティナは静かに答えた。
「ギガゴ、ギガーゴ」
「はどうだんヲオボエルキガアルヨウダシ。ソレナラチャンプルジムノコウリャクニヤクダテルシ。サア、ハジメテイクシ!」
「オッケー! だったら、ユウも一緒にやろう!」
「え、僕もですか?」
「ああ。まずははどうだんからやるし、イメージを掴むならトレーナーも一緒の方がいいんだよ。それに、波導は俺達でも修得出来るみたいだしな」
「ソウナンダシ?」
コウキは大きく頷く。
「波導は前にも軽く説明したように相手の姿や心情をキャッチする能力で、もっと具体的に言えば、俺達の中に巡る気の波である波動を思いのままに導いて離れた相手を感じとる能力って感じだな」
「ヨウハマズハソノハドウヲカンジトルトコロカラハジマルンダシ?」
「そうだ。もちろん適性があるかないかで変わっては来るけど、俺達が出会ってきた人達の中にも人間でありながら波導使いはいたし、その人達ほどじゃないけど俺も波導は使える。だから、ユウもチャレンジしてみたらどうだ?」
「僕が波導を……でも本当に出来たらリオルの助けにもなるだろうし、やってみたいかも」
「セッカクダカラシュリモヤッテミルシ。サア、ハリキッテヤッタルシ!」
「うん!」
ユウが頷いた後、ユウやシュリはコウキやミナカタと一緒に目を閉じた。そしてネモ達が見守る中、コウキと一緒に波動を身に纏いながらミナカタが頭の房を浮かび上がらせ、ギラティナとリオルも波動を微かに身に纏い始めた。その中でユウは何も言わずに両手を構えると、コウキとミナカタと同程度の波動を身に纏い、手の中には球になった波動が集まり始めた。
「え……!?」
「あれって、はどうだん……!?」
「ユウ君……!」
ネモ達が息を飲む中でユウは静かに両手を空に向け、ユウの手からははどうだんが撃ち出された。
「っと……!」
その反動でユウは軽く体勢を崩したが、すぐに地面を踏みしめて堪え、額に浮かんでいた汗を軽く拭った。
「ふう……」
「ユウ、スゴいじゃないか! バッチリ波導が使えてたし、はどうだんだって出せてたぞ!」
「そ、そうだったんですか……?」
「キオクニナイシ?」
「記憶にないというか、体の中の力が手の中に集まっていく感覚はあったんだけど、目を閉じて集中してたから何が起きたかわからなかったかな」
シュリは顎にヒレを当てた。
「フム、ソウナンダシ。ケド、ユウガ波導ヲツカエルヨウニナッタノハケッコウナアドバンテージダシ」
「そうだな。もっとしっかりと使いこなせたらネモ達が離れているところにいても場所がわかるようになるし、視界を奪われても対処が出来るからな」
「たしかに……」
「よし、その感覚を忘れないためにももう少し練習するか!」
「はい! やろう、ギラティナ、リオル!」
ギラティナとリオルが返事をした後、ユウ達は再び目を閉じ、波動を高め始めた。
「驚いたね。ユウが一発で波導に目覚めるなんて」
「たしかにね」
「ユウってアルセウスが言うには特殊な存在みたいだし、それもあるのかもな」
「そうですね」
「うん……」
ネモが不安そうに答えると、ヒカリは不思議そうに首を傾げた。
「ネモさん、どうかしましたか?」
「波導が使えるようになったのはスゴいし、ポケモン達と一緒に頑張ってるユウを見られるのは嬉しいです。でも、なんだかユウが少しずつ遠くなって、私達の知ってるユウじゃなくなっていくような感じがして……」
「ネモさん……」
「ま、まあ私の勘違いだと思いますから。さあ、ユウ達の頑張る姿を見ましょう!」
「……そうですね」
ヒカリは答えた後、ネモ達と一緒にユウ達の様子を見始めたが、時折ネモに対して気にかけるような視線を向けていた。