「さあ、一緒に計画を立てていこうか!」
朝食後、ユウとハルトの部屋の椅子に座り、ネモが楽しそうに声を上げる。そして、緊張した面持ちでユウがベッドに座っていると、シュリはため息をついてからネモに話しかけた。
「ソノケイカクッテイウノハ、タカラサガシノケイカクダシ?」
「そんなとこ。さっき、ジムの場所は登録してもらったけど、ジム巡りをするからには必要な事があるの。だからそれを話すためにこうして部屋にお邪魔してるわけだね」
「必要な事……場所以外だとジムのタイプとか?」
「そうそう。バトルでは戦術も重要だけど、タイプ相性が本当に重要なんだ。 だから、一度ユウのポケモンを見直したいんだよね」
「ポケモンの見直し......」
ユウの言葉に対してネモは微笑みながら頷く。
「うん! それでなんだけど……シュリは戦えるんだよね?」
「タタカエルシ。タダ、ソンナニタタカッテナイカラレベルハヒククテヨワイシ。ソレニ、シジヲダシテルホウガショウニアウカラ、シバラクハシジヤクニテッスルシ」
「うん、わかった。そうなると……今はヒトカゲとデルビルだから、炎タイプが被っててバランスは 少し悪いかな」
「弱点が同じだから?」
「そうそう! 炎タイプの弱点が水タイプと地面タイプ、そして岩タイプだから、その三つの共通の弱点である草タイプがいると良いんだよね。だからといってどの草タイプでも良いってわけでもないんだけどさ」
「どういう事?」
ユウが首を傾げると、シュリはユウの頭の上から答えた。
「ココデワザガカカワッテクルシ。ホムラガホカノタイプノワザヲモッテルヨウニホカノポケモンモソノカノウセイガアルシ。ソシテソノナカニハジブンノジャクテンヲオギナウモノモアルカラ、ユダンシテルトイタイメニアウンダシ」
「水タイプが氷タイプの技を使ってきたり炎タイプが草タイプの技を使ってきたりするからね」
「ダシ」
「そこまで考えないといけないんだね……やっぱりポケモンバトルって難しいな……」
「まあ、初めはそこまで考えなくても良いけど、出来そうなら考えようか。でも、他のタイプの子は加えた方が良いし、何か考えたいね。うーん……誰が良いだろ……」
ネモが腕を組みながら考える中、ユウはそわそわし始め、その様子にシュリは首を傾げた。
「ユウ、ドウシタシ?」
「いや……バトルの事を考えたらちょっと落ちつかなくなってきて……」
「ハア……ソンナコトイッテモショウガナイシ」
「そうなんだけど……ごめん、ちょっと何か作らせてもらうね」
そう言ってユウは立ち上がると、そのまま備えつけられたキッチンへ向かい、材料を揃え始めた。
「マッタク……ダシ」
「まあまあ。とりあえず窓開けとく?」
「……うん、お願い。空気の換気も少しだけしておきたいから」
落ちつき払った声でユウが答えた後、ネモは窓を開け、背もたれに肘をつきながら楽しそうにユウの調理風景を眺めた。そして数分後、二種類のサンドイッチを作り上げたユウは満足げに頷き、真剣だった表情も少しずつ和らいでいった。
「これでよし……出来たよ」
「おー、美味しそう! これ食べて良いの?」
「うん。朝ご飯を食べたばかりでお腹空いてないかもしれないけど……」
「ううん、大丈夫!それじゃあいただ──」
「ホロウー!」
「え?」
ネモが驚く中、何かが窓から飛びこみ、ユウが渡そうとしたサンドイッチを足でガッチリと掴んだ。そしてユウ達が注目する中、丸っこい体格のポケモンは鋭い爪が生えた足で掴んだサンドイッチを翼に持ち変えると、ユウの腕に掴まりながら美味しそうに啄み始めた。