ポケットモンスター~偽竜の司令官~   作:九戸政景

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第三百四十話

 夜、ネモの部屋にはネモとシュリ、そしてヒカリの姿があった。

 

 

「サテ、コウシテアツマッタケド、ヒカリモユウニツイテノハナシガアルンダシ?」

「はい。なので、ネモさんに部屋に行って良いか聞いたんです」

「まあ話が出来る相手が増えるのは嬉しいですから。ヒカリさん、ユウについての話ってなんですか?」

「コウキと相談してユウさんをシンオウに連れていこうかと」

「……えっ!?」

「ツレテクンダシ!?」

 

 

 ネモとシュリが驚く中、ヒカリはクスクス笑う。

 

 

「半分冗談半分本気です。シンオウに来てもらいたいのは本当ですが、無理矢理連れていく事はしませんよ」

「も、もう!」

「ヒカリ、シンゾウヲトメルキカシ……」

「ごめんなさい。けど、真剣な話があるのは本当です。ネモさんとシュリさんが不安に思っているユウさんの正体について」

「ヒカリさんもやっぱり気になりますよね」

「まあ一番気になっているのはネモさんの様子ですけどね」

「え?」

 

 

 ネモが驚いていると、ヒカリは優しく微笑んだ。

 

 

「不安になる気持ちはわかります。親しい相手、それも自分が恋している相手の事となれば当然ですから」

「ヒカリさん……」

「ネモさん、ヒカリさん、お二人がユウさんについて考えている事、それはユウさんのご両親が共に人間である事ですよね? 断言は出来ませんが、少なくともお二人はそう思っているはずです」

「……はい。アルセウスが話してくれた昔話のヒントを考えると、ユウのお父様かお母様のどちらかがポケモンに思えますが、だとしたらユウが少しでも知らないのはやっぱり変かなって」

「ユウノミヲアンジルナラハナシテオイタホウガヨサソウダシ、ナニカシラノカタチデユウガキヅイテモオカシクナイシ。ナノニシラナイッテコトハタブンリョウシンハドッチモニンゲンダシ」

「そしてもう一つ、ユウのお母様は伝承とかを集めている作家さんで、お父様は伝説のポケモンについて研究している人だってユウは言っていました。だとしたら、シンやアルセウスに辿り着くのは容易です。そして両親が人間なのにポケモンのようにテラスタルが出来て、テラスタイプを察知できる目を手に入れ、シンがあそこまで懐いている。つまり……」

 

 

 シュリはヒレを組みながら頷く。

 

 

「ユウハリョウシンガミツケテキタシンノチカナニカガタイナイヲメグッテイルンダシ。ソノケッカ、スコシズツニンゲントポケモンノハーフミタイニナッテイテ、イマノヨウニイロイロナコトガオキテルンダシ」

「シンはサイコパワーを使ってユウを覚醒させたと言っていましたし、シンもさいきょうの証を持っているポケモンなので一番あり得ると思います」

「ミュウツーハソモソモキョウミヲモタナソウダカラジョガイシタシ。タダモンダイハナニガアッテユウガシンノチカナニカヲトリイレタカダシ。モシユケツダトシタライノチニカカワルナニカガアッタトシカカンガエラレナイシ」

「そしてユウが少しずつポケモンに近付いているんだとすれば、いずれは……」

 

 

 ネモの表情が少しずつ曇っていく中、ヒカリはネモを抱き締めた。

 

 

「その可能性は考えられますが、もし本当にそうなった時に一番不安になるのはユウさんです。だからこそ、ネモさんとシュリさんが一番そばで支えてあげてください」

「……もちろんです」

「ユウガチカラニオボレテナサケナイスガタヲミセタトキハホットイタケド、コンナコトニナッテキタイジョウ、ホットクナンテデキナイシ。シンジツガアキラカニナッタッテドコニモイカセナイシ」

 

 

 ネモとシュリの目を見たヒカリは安心したように微笑んだ。

 

 

「お二人なら安心ですね。これなら本当にシンオウに連れていかなくても大丈夫そうです」

「さっき半分冗談半分本気って言ってたのって……」

「はい。もしユウさんの件がお二人の手に負えないと判断したらユウさんには本当にシンオウまで一度来てもらおうと思っていました。前チャンピオンで考古学者でもあるシロナさんや私達にパートナーポケモンをくれたナナカマド博士の力を借りればユウさんに対して色々してあげられると思っていましたし」

「シンオウリュウガクイッポテマエダッタシ。デモ、トリアエズソノフタリニモソウダンハシテミテホシイシ。ソウイウケンキュウシャテキナシテンカラミエルモノモアルキハスルシ」

「わかりました。色々不安はあると思いますが、あたしもコウキも皆さんの味方ですから色々話してもらって大丈夫ですからね」

 

 

 ネモとシュリは揃って頷く。その後、ネモの部屋では夜遅くまで三人が様々な事について話をしていた。

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