「出社の時間ですよ、ネッコアラ」
「やるよ、リオ!」
それぞれのモンスターボールからネッコアラとリオが現れると、シュリはネッコアラを見ながらヒレを組んだ。
「ネッコアラトハナカナカヤッカイダシ。コウゲキリョクヤトクシュボウギョリョクガケッコウタカイノモアルケド、イチバンヤッカイナノハソノトクセイダシ」
「ネッコアラの特性……たしかぜったいねむりだったよね?」
「ダシ。ぜったいねむりハメザメルコトノナイネムリジョウタイミタイナカンジデ、めざましビンタトカたたりめデダイダメージヲウケテシマウトイウデメリットハアルケド、ホカノジョウタイイジョウニモナラナイウエニいびきヤねごとハデテキタジテンデツカエルトイウナカナカカワッテルネッコアラコユウノトクセイダシ」
「状態異常が怖くないのは心強いよね。よし、まずはテラスタルしないと」
「カダイノタメダカラシカタナイシ。サア、テラスタルダシ!」
「うん!」
ユウがテラスタルオーブを投げると、リオは格闘タイプにテラスタルし、アオキは表情を変えずに指示を出した。
「ネッコアラ、あくびです」
「コア」
ネッコアラは口をモグモグさせると、口から大きなシャボンを吐き出した。
「マタヤッカイナワザヲ……リオ、ヨケテカラふるいたてるダシ!」
「リオ!」
リオは近づいてきたあくびのシャボンを避けると体に力を込めた。
「リオ……!」
「ほう、ふるいたてるですか。ではネッコアラ、うたうです」
「コア」
ネッコアラは口をモグモグさせながら答えると、静かな声で歌い始めた。そしてその歌声がバトルコートに広がっていくと、リオの目がとろんとし、倒れながら寝息を立て始めた。
「リオ!」
「ジブンガネムリツヅケルダケジャナクアイテヲネムラセルシュダンマデフクスウモッテルナンテ……」
「疲れていても寝付けない時もありますよね? そういう時はネッコアラのうたうを子守唄にして眠らせてもらってるんです。中々上手いですよね」
アオキの言葉にシュリは少し引いたような顔をする。
「ソ、ソレハチョットフケンコウナカンジダシ……」
「アオキさん、後で睡眠改善に効く料理も作りますし、簡単なレシピもお教えしますね」
「ありがとうございます。ですが勝負では手は抜きません。ネッコアラ、たたきつけるです」
「コア」
ネッコアラは寝返りを打ち続けるとそのまま転がりだし、軽く跳躍するとその勢いを利用して抱き抱えていた丸太をリオに叩きつけた。
「リオ……」
「リオ!」
「マズイシ……ネムッテルジョウタイダカラナニモデキナイシ、ネムラセルシュダンモフタツアルカラメザメサセテモマタドッチカデネムラセテクルシ。ナニヨリワザガゼンブワカッテナイノガキミワルイシ。ヨソウデキルノハイクツカアルケド、ソレヲハンメイサセルノモネムッテルアイダハワザヲウケルイガイニナイシ」
「たしかに。本当にどうしたら……」
リオがすやすやと寝息を立てる中、ネッコアラは眠りながら圧倒的な存在感を放ち続けていた。