「いくよ、リーフ!」
「頑張ってきて、ニャオハ!」
ネモが手にしたボールからニャオハが飛び出し、ユウの腕からリーフが飛び立つと、ネモは目を輝かせながら両手を組んだ。
「わぁ……….早速リーフが来たね! それに、タイプ相性もそんなに良くない状況だし、これは本当に楽しいバトルになりそう!」
「そんな状況でも楽しめるなんて……」
「ソレダケネモガバトルズキッテコトダシ。ケド、ヨウシャハシナイシ」
「う、うん……! えっと、まずは……」
「マズハつるぎのまいダシ!」
「ホロ!」
シュリの指示に応えると、リーフの周囲には金色の剣が出現した。そして、リーフの体が赤い光をぼんやりと放ち始めると、ネモの目の輝きが増した。
「やっぱり攻撃力は上げてくるよね。でも、上がる事もあれば下がる事もあるんだよ! ニャオハ、なきごえ!」
「ニャオン!」
ネモの指示に従ってニャオハが可愛いらしい鳴き声を上げると、リーフは油断した様子を見せ、シュリは顔をしかめた。
「コレデアゲタブンノコウゲキガスコシモドッタシ。ケド、コノテイドジャリーフノコウゲキニシショウハナイシ」
「でも、この後はどうするの? また攻撃力を上げるの?」
「ソレジャイタチゴッコダシ。コッチガイチダンカイズツアガッテハイクケド、 ニャオハノスピードハタカイカラ、カワサレタライミハナイシ。ダカラ、 カクジツニアテラレルジョウキョウヲツクルンダシ」
「確実に当たる……そんなのあるかな?」
「ナニネボケタコトイッテルシ! アルカナジャナクテツクルンダシ!」
ユウの言葉に対してシュリが苛立ちながらヒレで頭を叩くとその様子にネモはクスクス笑った。
「早速怒られてるね。でも、そんな暇はあるのかな? ニャオハ、ひっかく!」
「ウニャ!」
ネモの指示を聞いてニャオハが爪を光らせながらリーフに向けて飛びかかると、リーフはひっかくのダメージを受けて地面へと落下した。
「ホウゥ……!」
「リーフ!」
「フムフム、ヤッパリニャオハガナカナカハヤイシ。ケド、テハアルシ」
「えっ、あるの?」
「ダシ。リーフ、フェザーダンスダシ」
「ホ、ホウ……!」
シュリの指示にリーフは応えた後、翼を大きく広げた。すると、リーフから幾つもの羽が出現し、それらはニャオハを包みこみ始めた。
「ニャ!? ニャニャウ!?」
「ニャオハ! 落ちついて!」
「フェザーダンスハアイテノコウゲキリョクヲオオキクザゲルワザダシ。ケド、サゲテイルトキハシカイモフサガレルシ!」
「そっか……! それなら今の内に……リーフ、ブレイブバード!」
「ホウ!」
ユウの指示に応え、リーフは体に力をこめると青い光を放ち始めた。そしてニャオハにまとわりついていた羽が消えた瞬間、リーフは地面を蹴って飛び出し、青い光をまといながらニャオハに体をぶつけた。
「ニャ……!」
「ニャオハ!」
ブレイブバードを受けた衝撃でニャオハは地面を転がると、目を回した状態で仰向けに倒れた。
「せ、生徒会長のポケモンが……!?」
「あの転入生、何者だ……!?
ギャラリーがざわつく中、優しい笑みを浮かべながらネモはニャオハをボールに戻した。
「ニャオハ、お疲れ様。 シュリが考えた 戦い方にユウが気づいて、最後にバッチリ決めてくる。ポケモンとトレーナーの絆を感じるよ!」
「トーゼンダシ。サア、ニタイメノポケモンヲダスシ」
「うん、そうするよ。でも、今度の子はそう簡単にはいかないよ。お願い、パモ!」
ネモ が繰り出したのは、地面に両前足をついたオレンジ色のねずみのようなポケモンであり、ユウが警戒する中でネモはポケットから手の平に収まる程の丸い物を取り出した。
「それは……?」
「テラスタルオーブだよ。そして見せてあげる、これがテラスタルだよ!」
その言葉と同時にテラスタルオーブは光りだし、その力の反動にネモが耐え、ユウ達がその眩しさから目を守る中、ネモはテラスタルオーブを投げた。その瞬間、パモは地面からせり上がってきた結晶に覆われ、結晶が砕けた後には頭の上に結晶で作られた電球を頭に載せた結晶化したパモの姿があった。