ポケットモンスター~偽竜の司令官~   作:九戸政景

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第三百六十九話

『ごちそうさまでした』

 

 

 ネモ達が声を揃えて言うと、ユウはクスリと笑った。

 

 

「うん、お粗末様でした。やっぱり食べてくれる相手が多いと作りがいがあるなあ。ハリマロンも満足してくれたみたいだしね」

 

 

 ユウの視線の先ではリドとハリマロンが背中合わせで座りながら膨らんだ腹を擦っていると、それを見ながらシュリは溜め息をついた。

 

 

「サッキマデトリアイシテタノニモウイキピッタリダシ。ホントウハキガアイソウダシ」

「そうだね。そういえばこのハリマロンのテラスタイプってなんだろ?」

「イワレテミレバソウダシ。ユウ、ミテミルシ」

「うん」

 

 

 ユウはテラスタルした眼でハリマロンを視た。

 

 

「……うん、視えた。なんか岩みたいな物が一つあったよ」

「ガイトウスルノハマサシクイワタイプダシ。イワタイプノテラスタルガデキルクサタイプハカナリタスカルシ」

「草タイプの弱点の内の四つに対して逆に弱点がつけるし、ハリマロンの最終進化系のブリガロンは草/格闘タイプだから、テラスタルした後でも鋼タイプに強かったり、より氷タイプへの強みになるからね。他のさいきょうの証持ちと同じでこの子もさいきょうの証の名に恥じない子だと思うよ」

「スナアラシメインノパーティーノエーストシテモソシツジュウブンダシ。サア、ハヤクスカウトダシ!」

「そうだね。僕もハリマロンが仲間になってくれたら嬉しいし、ちょっと聞いてみようか」

 

 

 ユウはハリマロンの頭に手を振れた。

 

 

「ハリマロン、君さえ良かったら僕達の仲間になってくれない? 嫌ならもちろん良いけど」

『仲間……なったら美味しいもの食べられる?』

「うん、色々作ってあげられるよ。作れるものに限られるけど、もっと色々なものを作れるように頑張っていくよ」

『ならついてく! 美味しいものをもっと食べたいから!』

 

 

 ハリマロンの返事を聞いてリドはハリマロンを見ながらバカにしたような笑みを浮かべた。

 

 

『やーい、食べ物に釣られた食いしんぼうー』

『なんだと! お前だってバクバク食べてただろ、腹ペコトリ!!』

『へっへーん! ボクにはリドっていうニックネームがあるんだよーだ』

『それだって逆にしたらドリじゃないか! 結局リドだろうがドリだろうが一緒だよーだ!』

『なんだとー!?』

『やるかー!?』

 

 

 リドとハリマロンがお互いの額をつけながらケンカを始めると、ユウはコホンと咳ばらいをした。その瞬間、空気がピンと張りつめ、ネモやシュリが苦笑いを浮かべたりやれやれと首を振ったりする中でピーニャやリドはうろたえながら辺りを見回した。

 

 

「こ、これがユウ君の怒り……」

『ゆ、ユウ……』

「ケンカする程仲が良いっていう言葉はあるし、意見が合わなくてケンカする事もあるよ。でも、お互いの事を悪く言い合って良いわけじゃないからね?」

『は、はい……』

『ごめんなさい……』

「謝る相手が違うよね?」

 

 

 リドとハリマロンは背筋が凍るのを感じた後にお互いに頭を下げた。

 

 

『悪口言ってゴメン……』

『こっちこそゴメン……これから仲間になるのに空気を悪くしちゃった』

『ボクもちょっと照れ臭くて上からな態度をユウ達に取っちゃったから似たようなもんだよ。とりあえずボク達も仲良くしよう』

『そうだね』

 

 

 リドとハリマロンの会話を聞いてユウは優しく微笑んだ。

 

 

「仲直り出来て偉いね。とりあえずハリマロンのニックネームはロンにしようか。ハリマロン、どうかな?」

『うん、それが良いな。なんかカッコいいし!』

「わかった。みんな、ロンが仲間に加わったからこれからよろしくね」

 

 

 ポケモン達が答えていると、ピーニャはポケモン達を見回してからユウに視線を向けた。

 

 

「ユウ君は本当にスゴいんだな……」

「ポケモン達にしっかりと慕われてるからね」

「そうですね。ユウさん、休憩をしましたし、そろそろ出発しますか?」

「そうだね。後片付けをしたらナッペ山に向けて出発しよう」

 

 

 ネモ達やポケモン達は頷いた後、ユウやシュリの指示に従って後片付けを始めた。

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