夜、ナッペ山のふもとでユウとピーニャは同じテントの中で話をしていた。
「ハルト君やクロス君以外の人とテントで過ごす機会がないのでなんだか新鮮です」
「ナンダッタラユウハハルトトドウシツダカラヨリシンセンナンダトオモウシ」
「いわゆるルームメートという奴だね。ユウ君とルームメートだと夜食を作ってもらって一緒に話をしたり勉強をしたり出来そうだから羨ましいよ。ただ、僕は決まった時間に眠る方だからそういうのは経験したことがないんだよね」
「あく組ノミンナニモソレヲススメテルンダシ?」
「いや、流石に勧めてはいないよ。生徒会長だった頃の僕だったら押し付けるまでしていただろうけど、みんなにはみんなの過ごし方があるからね」
「ソレハソウダシ。イロイロオシツケラレタラナニモタノシクナイシ。ピーニャダッテイマナラワカルシ?」
ピーニャは哀しそうな顔で頷いた。
「うん……だからあく組のみんなにはのびのび過ごしてもらえるようにしてるよ。今でもみんなの気持ちを理解出来ていない発言をしてしまう事はあるけれど」
「タトエバナンダシ?」
「勉強がわからないって言うメンバーに対して普通に公式を使ったり暗記したりするだけだよって言っちゃって……」
「ソレハダメダシ。バトルニガテナヤツニタイシテワザヤトクセイヲアンキスルダケトカセンジュツノナマエヲオシエタリシテルノトタイサナイシ。ナンデニガテナノカヲシッカリトツキツメテ、ソノウエデイッショニカンガエテイクノガイイシ」
「ほんとにね……君達ならそうするだろうなと思ってからはやり方を変えたけど、前の僕はなんて愚かだったんだろうね」
「でも反省出来ているだけ偉いと思いますよ。反省出来ているのは先に進みたいと思えているからですし、反省が出来なければ成長も出来ませんからね。ピーニャさんは十分前に進めていますよ」
ピーニャは驚いた後にニッと笑った。
「ユウ君は教師やブリーダー向きなのかもしれないね。もちろん、実力もあるからハッサク先生みたいに四天王のような役職と兼任でも良いだろうけど」
「僕が先生やブリーダー……」
「ピーニャノイウコトモワカルシ。ニッチュウダッテリドトロンノケンカヲカタチヲカエテニカイモトメテナカナオリサセテイタシ。タダマア、ショウライノコトハ宝探しノナカデキメテケバイイシ。ソノタメノ宝探しダカラダシ」
「そうだね。未来は無限大だし、色々な経験をしながら自分の将来は決めていくよ」
「ソノイキダシ」
テントの中ではしばらく楽しそうな笑い声が響いていた。