翌朝、ユウ達は洞窟を抜け、ナッペ山をゆっくりと歩いていた。
「う、結構冷えるね……寒いところなのはわかっていたから制服の冬服は持ってきてたけど、それでも寒いからもっと色々用意してくれば良かったかな」
「ネモ、ココッテイツモコンナニサムイシ?」
「そうだね。氷タイプのポケモンも多くなってくるし、パルデアの中では寒い方だよ。でも、本当に寒いね……」
「氷タイプのロコンとニューラは喜びそうですけどね」
「リドも喜びそ……へっくしゅ!」
ユウがくしゃみをすると、その後ろからネモが抱きついた。
「え? ね、ネモ……?」
「ちょっと恥ずかしいけど、こうすればあったかいでしょ?」
「あったかいのはあったかいけど……!」
ユウが恥ずかしさから赤面し、同じようにネモが赤面しながらも嬉しそうにしていると、それを見下ろしながらシュリはため息をついた。
「マータヒトメモハバカラズイチャコラシテルシ。ホンニンタチハアッツアツデモ、ハタメカラミテルシュリタチハヒエッヒエダシ」
「えーと……いつからこんな関係になったのかな? この二人は……」
「オタガイノキモチヲリカイシテカラハスキアラバコンナカンジダシ。ケド、ピーニャガオモッテルヨウナカンケイデハナイシ。ソレナノニコンナカンジナンダシ」
「僕はそういう事には詳しくないけど、この二人を見ていると最近の人は進んでるんだなと思うよ」
「ピーニャダッテサイキンノヒトダシ。トイウカ、ユウタチガイロイロトクシュナンダシ。ソレハカンチガイシテハイケナイシ」
「たしかにそうですね」
ライラが苦笑いを浮かべていると、シュリはユウの頭を叩き始めた。
「イツマデヤッテルシ。モウジュウブンアタタマッタダロウカラサッサトイクンダシ」
「うん、そうだね」
「体温もしっかり上げられたし、頑張って歩いてこー!」
「ダシ。タダ、セッカクダカラコオリタイプヲココラデゲットシテオキタイシ。トクニ、ユキヲメインニスフライラハテモチヲフヤシトクノガイイシ」
「そうですね。ですが、どのポケモンが良いでしょうか?」
ライラが首を傾げていたその時だった。
「アンタ達、迷子かい?」
「え?」
ユウ達が振り返ると、そこには金色の装飾品をつけ、黒い衣服を身に纏った褐色肌の女性が立っていた。
「えっと、あな──」
「え、ええ!? ど、どうしてここに……!?」
「ピーニャ、シッテルノカシ?」
「知ってるも何も! 僕達はこの人に会うためにフリッジタウンを目指しているんだから!」
「え、という事は……!」
ユウが驚く中、女性は愉快そうに笑い始めた。
「はっはっは! アタイとした事が自己紹介がまだだったね。アタイはライム、フリッジジムのジムリーダーさ」
ライムは帽子のつばを軽く上げながらニッと笑った。