ポケットモンスター~偽竜の司令官~   作:九戸政景

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第三百七十八話

「本当は切り札的な物だったけど……仕方ないね。クロエ、しっとのほのお!」

「キリキザンはキチキギスにきんぞくおん!」

「ヘルガ!」

「キザン!」

 

 

 キリキザンが手の刃物を擦り合わせてきんぞくおんを発生させる中、クロエはしっとのほのおでキチキギス達に攻撃を仕掛けた。

 

 

「しっとのほのお……たしか直前に能力が上がったポケモンをやけど状態にする技だったはず。能力は上げてないけど、そのダメージを受けるわけにはいかない! キチキギス、マジカルシャイン!」

「アチゲータ、バークアウト!」

「キチッキ!」

「ゲタ!」

 

 

 クロエのしっとのほのおとキチキギスのマジカルシャイン、そしてアチゲータのバークアウトはぶつかり合ったが、しっとのほのおは二つの技を打ち消し、きんぞくおんと共に命中した。

 

 

「キチ……!」

「ゲタ……!」

「キチキギス!」

「アチゲータ!」

 

 

 キチキギスとアチゲータが膝をつく中、シュリはユウの頭の上で胸を張った。

 

 

「ドウダシ! もらいびノコウカデしっとのほのおのイリョクモアガッテイテ、バークアウトノコウカデソッチノイリョクハサガッテルカラナミノコウゲキジャタイショハデキナイハズダシ!」

「たしかにね……だから戻って、キチキギス」

 

 

 ハルトは一度キチキギスをボールに戻すと、別のボールを手に取った。

 

 

「君の力借りるよ、ウェーニバル!」

 

 

 モンスターボールから飛び出したウェーニバルがやる気に満ちた様子で鳴き声を上げていると、シュリは難しい顔でヒレを組んだ。

 

 

「コレハヤッカイダシ。ウェーニバルハミズトカクトウノフタツヲモッテイルカラ、クロエモキリキザンモタタカイニクイアイテダシ」

「おまけに使う度に自分の素早さを上げられるアクアステップもあるから長期戦は避けないといけないね」

「ダシ。イチオウしっとのほのおガアルカラハルトモアクアステップハシジシヅライトオモウシ。ダカラ、ソコヲウマクツイテ──」

「その考えは甘いよ、シュリ! ウェーニバル、クロエにアクアステップ!」

「ウェニバ!」

 

 

 ウェーニバルは素早くクロエに近づくと、顎にアクアステップを命中させた。

 

 

「ヘル……!」

「クロエ!」

「アクアステップヲツカッテキタシ!? ケド、ダッタラヨウシャナクイクシ! クロエ、しっとのほのお!」

「キリキザンはアチゲータにつじぎり!」

「ヘルガ!」

「キザン!」

 

 

 キリキザンがアチゲータに向かって走り出す中、クロエがしっとのほのおを発生させると、ハルトはニヤリと笑った。

 

 

「ウェーニバル、みがわり!」

「アチゲータはかえんほうしゃ!」

「ウェニバ!」

「ゲータ!」

 

 

 ウェーニバルがみがわりを出現させて身を守る中、アチゲータはかえんほうしゃでキリキザンを迎え撃った。そしてかえんほうしゃを受けたキリキザンがダメージを受けて退く中、アチゲータはクロエのしっとのほのおを受けて苦しそうな顔をした。

 

 

「ゲタ……!」

「アチゲータはもう少しで倒れそうだけど……」

「もうかノハツドウケンナイニハイッタウエニみがわりデマモラレタカラウェーニバルヲやけどニデキナカッタシ……!」

 

 

 シュリが悔しそうな顔をする中、ハルトは笑みを浮かべた。

 

 

「これまでウェーニバルの技はほとんど見せてなかったからね。だから見せてあげるよ、僕の一番の相棒の実力を!」

「ウェニ!」

 

 

 ウェーニバルはハルトの声に応える形で鳴き声を上げた。

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