「フム、ハカドッグダシ。ゴーストタイプノおばけいぬポケモンデ、オナジおばけいぬポケモンノボチノシンカケイダシ」
「ハカドッグといえば、おはかまいりという技があるね。倒された仲間の数だけ威力を上げるゴーストタイプの技で、まだ一体しか倒れていない今ならそれほど脅威ではないけれど、ハカドッグを残したままで倒せば倒すほどにより脅威になっていくから早めに倒しておきたいね」
「ドウカンダシ。タダ、ミミッキュモワスレテハイケナイシ。イマノトコロハサポーターヨリニミエルケド、ミミッキュハアタッカートシテノソシツモカネソナエテルシ。サイショノダブルウイングデばけのかわハドウニカシテイテ、ダメージモソレナリニアタエテイルケド、ユダンハデキナイシ」
「そうだね」
ピーニャが頷く中、ライムはマイクを構えながらニッと笑い、指をパチンと鳴らした。すると、スピーカーからは別の曲が流れ始め、ミミッキュとハカドッグはその曲に合わせてリズムを取り始めた。
「キョクガカワッタシ……」
「ここからはまた違った攻め方をしてくるのかもね。ところで……」
ピーニャは目を瞑ったままのユウに視線を向ける。
「ずっと目を瞑ったままだけど、大丈夫なのかな? 波導の力に集中するためなのはわかるけれど……」
「シンパイナイシ。ピーニャモワカッテルトオモウケド、ユウハシュウチュウシテルトキハイツモコンナカンジダシ、ヘンニシュウチュウヲミダシテモシカタナイシ。ダカラ、ベシャリハシュリガタントウシテ、ピーニャハジブンノポケモンタチトスキニタタカッテイイシ。ユウノキクバリニタヨリキリニナットクシ」
「わかったよ。こうして憧れのラッパーであるライムさんと戦えているだけでも嬉しいからね。僕達の力、しっかりと示そう!」
「ガッテンダシ!」
シュリが答えると、ライムはその姿を見ながら音楽に乗ってラップをし始めた。
「YO! 見せつけるじゃないか、あんた達の絆。だから見せようじゃないか、アタイ達の絆。嬉々とする奇々怪々。仮生とする呪い。マジない? 言われてもかけないわけがない。墓にいぬ墓の犬。カラスのだいぶ体力枯らすゴーストダイブ!」
「ミッキュ!」
「バウン!」
二匹が返事をすると、ハカドッグが影の中に姿を隠す中でミミッキュは禍々しいオーラをまとってそれをティナに向けて放出した。そしてティナはオーラを受けると、苦しそうな顔をしながらその場に膝をついた。
『ティナ、大丈夫!?』
『だ、大丈夫だ……』
「コレハ……のろいダシ! ケド、ゴーストタイプノのろいハタイリョクヲオオキクケズッテジョジョニアイテノタイリョクヲヘラスワザ。ミミッキュガツカッタラサスガニタオレ──」
「あ、まさか……ハカドッグのおはかまいりの威力を上げるために……!」
ピーニャがハッとする中、ライムはニヤリと笑った。
「ご名答だが、気を抜いてて良いのかい?」
「え?」
「ピーニャ! ハカドッグノコウゲキガマダオワッテナイシ!」
その瞬間、ハカドッグはドンカラスの影から現れて一撃を加えた。
「ドカ……!」
「ドンカラス!」
「はっはっは、油断大敵ってね。さて、それじゃあ見せてあげようじゃないか、ウチのエースをね」
ミミッキュがのろいによって倒れた後、ライムはミミッキュをモンスターボールに戻した。そして別のモンスターボールを放ると、その中からは気だるげな目付きをした紫色のポケモンが現れた。