生徒達の視線を集めながら、オモダカはネモの前で足を止めると、ハルト達がユウの側に行く中でふわりと微笑んだ。
「おはようございます。チャンピオンネモ。とても素晴らしいバトルでしたよ」
「トップ、見てたんですか?」
「ええ、初めはクラベル校長とお話をするために校長室を訪ねたのですが、そちらのお二人も交えてお話をしていた時に貴女が他の生徒の手を引いてグラウンドへ向かったという声が廊下から聞こえたので観に来たのです」
「そうだったんだ……」
ユウが呟く中、オモダカはユウに視線を移した。
「初めまして、私はオモダカと申します」
「あ……ゆ、ユウです……」
「シュリダシ。ユウノテモチポケモンケンシジヤクダシ」
「ふふ、指示役らしい良い指示でしたよ。ユウさん、でしたか。貴方もチャンピオンランクを目指すのですか?」
「チャンピオンランク!? そ、そこまでは流石に──」
「……イヤ、ソレモアリダシ」
「え!?」
ユウが驚いていると、シュリはネモに話しかけた。
「ネモ、チャンピオンランクニナルニハドウスレバイイシ?」
「まずは各地のジム巡りだね。パルデア地方には八つのジムがあるからそれを全て制覇して、バッチを八つ手に入れるの。ジムはそれぞれどれかのタイプのエキスパートで戦う前にもジムチャレンジっていう試験があるから、しっかりと育てていかないと勝つのは難しいかな」
「ソノアトハドウスルシ?」
「その後は、学校の近くにあるポケモンリーグに行って、そこにいる四天王達とのバトルが待ってるよ。四天王達もジムリーダーと同じでどれかのタイプを専門に扱ってるけど、更に強いからより気を引き締めないといけないといけないね。そしてその後には最終試験があって、それに勝てば……」
「晴れてチャンピオンランクですが……実はもう一つやらないといけない事があります。 もっとも、それはその時になるまで秘密にしますが」
オモダカがクスクス笑う中、ユウは自信無さげに俯いた。
「そんなにバトルしないといけないんだ……」
「あははっ、大丈夫だよ。ユウにはホムラ達もいるし、シュリの知識だってあるんだから」
「それはそうだけど……あ、そういえばハルト君達は校長先生のご友人と話をしてたんだよね? どんな人だったの?」
「どんな人……かぁ」
「正直、かなり驚いたよね。本当に予想してなかった人達だったわけだし」
「人達って事は何人かいたの?」
「うん、ご夫婦そろって僕達に話したい事があったみたいだよ。それもミライドンとコライドンについてね」
「夫婦……それに、ミライドンとコライドンについてって事はもしかして……」
ユウが何か思いあたった様子を見せていると、クラベルは静かに頷いた。
「ええ、その友人というのはポケモン博士であるオーリムとフトゥーの夫婦です」