ドローンの後に続いて進むこと数分、ユウ達は綺麗な花畑や澄んだ小川が流れる場所にたどり着いた。
「綺麗な場所だなあ……オルティガさん、ここがフェアリー組のアジトなんですか?」
『そうだ。草タイプや水タイプもそうだが、フェアリータイプも汚れた環境や人工物ばかりのところっていうのはあまり得意じゃないからな。フェアリータイプのポケモンを扱う以上、アイツらにとっても住みやすい環境を整えるのはボスとして当然の務めだ』
「イイカタハソンダイダケド、ヤッテルコトハナンダカンダデヤサシイシ。ソレガオルティガノホンシツナンダシ?」
「まあそんなところだね。オルティガは素直じゃなかったり相手の気持ちに寄り添うのが苦手だったりするから周りから反感を買いやすいけど、何だかんだで相手想いではあるからポケモン達やフェアリー組のメンバー達からはとても好かれているし頼りにされているんだよ」
『ふん』
オルティガが鼻を鳴らす。そしてユウ達の姿にフェアリー組の団員達が注目する中、詰め所からピンクを基調とした服装のピンク髪の少年が姿を見せた。
「さて、ここがオレ達のアジトだ。一応改めて自己紹介してやる。オレはオルティガ、フェアリー組チーム・ルクバーの元ボスだ。そこのハルトに負けたからな」
「オルティガ、ハルト君はやっぱり強かったっしょ?」
「ムカつくくらいにな。オレだってこれまで精いっぱい頑張ってきたのに、コイツのニンフィアの強さがハンパなかった。もちろん他のポケモンも強かったけどな」
「ハルトハシュリタチノナカデモトップクラスノツヨサダシ。ソウナルノモシカタナイシ」
シュリが頷きながら言っていた時、詰め所からはネルケと一人の老齢の男性が現れた。
「お前達、ここまで来たか」
「あ、ネルケさん」
「クラベル、イツマデネルケヲヤルンダシ?」
「いつまでも何も今の俺はネルケ。そういうことにしておけ」
「マタイマノトカイッテルシ……ソレデ、トナリハダレダシ?」
シュリの視線を受けながら男性は恭しく頭を下げた。
「自己紹介が遅れました。私はイヌガヤ、オルティガ坊ちゃまの執事で、グリーンアップルアカデミーの前校長です」
「俺のちょっとした知り合いでもあるな。そういえばお前達、宝探しは順調か?」
「はい、昨日もフリッジジムのライムさんからバッジを貰えました」
「ほう、そうなのか。となると、次は近場にあるナッペ山ジムか?」
「そうしたいところですけど、その前にベイクジムに挑戦したいなと思ってます」
「なるほどな……」
ネルケはリーゼントを撫でながら呟いた後、サングラスを直してからオルティガに話しかけた。
「オルティガ、ユウの実力を見るためにバトルをしたいか?」
「まあそうだな。その実力に興味はある」
「そうだろうな。だが、俺もまたポケモントレーナー。気持ちは同じだ」
「ホウ、ソレナラドウスルッテンダシ?」
「決まっているだろう?」
ネルケは不敵な笑みを浮かべた後、プレミアボールを手に持ちながらユウに話しかけた。
「ユウ、シュリ、お前達の力を見定めさせてもらうぞ」