バトルが終わった後、ネルケはひんし状態になったスカタンクに近づき、プレミアボールを取り出した。
「お疲れ様だな、スカタンク。今日もお前はイカしてたぜ」
その言葉と同時にスカタンクはボールの中へと戻っていき、ホムラをボールにしまい終えたユウ達にネルケはゆっくり近づいた。
「いいバトルだったぜ、お前達。アカデミーでの成績優秀だという噂もこれなら納得だ」
「こちらこそいいバトルをありがとうございました。あんな風に技を組み合わせてくるとは思わなかったので驚いちゃいました」
「シュリタチモマダマダベンキョウヲスルヒツヨウハアルシ。ネルケ、ホカニモポケモンハモッテイルノカダシ?」
「ああ、他にもイカした奴らが揃ってる。だが、今回はこのスカタンクだけだ。他の奴らと戦うならまた今度だな」
「シカタナイシ。ソウイエバ、シュリタチノチカラヲミサダメルトカイッテタケド、アレハドウイウコトダシ?」
シュリの問いかけにネルケはリーゼントを撫でてから答えた。
「なに、俺もお前達には色々期待しているからな。何か頼みたい事があった時にそれが可能かを見たかったんだよ。結果、お前達の強さは想像以上だった。これは校長の言う通りだったな」
「校長……クラベル先生から何か言われていたんですか?」
「ああ。少し前までバトルをする事すらあまり好ましく思っていなかったが、ネモやハルト達との出会い、そして力という物を学んだ事で目を見張るほどの成長を遂げた逸材だと言っていた。さいきょうの証持ちやパラドックスポケモン、伝説のポケモンなどを仲間にしているが、他のポケモンにもしっかりと目を向けて共に歩もうとしている若き強者だそうだ」
「クラベル先生がそんな事を……」
「それだけお前はアイツから期待されている。だが、それに無理に応えようとする必要もない。期待とは期を待つと言うが、その期とはなにもすぐというわけじゃない。あらゆる物を学んで経験し、あらゆる者と出会って絆を育み、お前が今がその時だと思った時にはアイツにもその力を見せてやるといい。きっと喜ぶだろうからな」
「はい、もちろんです。ネルケさん、貴重なお言葉ありがとうございます」
ユウが頭を下げながら言うと、ネルケは満足そうに笑いながら優しい目でユウを見た。
「マッタクー、ダシ。ソレデ、オルティガモシュリタチトタタカウンダシ? ソレナライッサイヨウシャハシナイシ」
「当然だ。さっきのバトルを見てオレだってワクワクしてるんだ。お前達に可愛いフェアリータイプの可愛くないとこを思い知らせて、あざといの食らわせてやるよ!」
「ヤルキハジュウブンダシ。ユウ、マダヤレルシ?」
「うん、もちろんだよ。オルティガさん、バトルよろしくお願いします!」
ユウが素直に頭を下げながら言うと、オルティガは少し照れ臭そうな顔で頬をかいた。そしてネルケとオルティガが交代すると、ユウとオルティガは揃ってそれぞれのボールを投げあげた。
「いくよ、ミドリ!」
「行ってこい、バウッツェル!」
みどりのめんを着けたミドリとバウッツェルが姿を見せる中、ユウ達とオルティガはお互いに相手を見ながらやる気に満ちた目をし始めた。