「ホーン、ダッタラミセテモラウシ。コッチダッテソウカンタンニハマケナインダシ!」
「勝ってやるよ、お前達に! バウッツェル、まずはどろかけ!」
「バウ!」
バウッツェルは一吠えすると、前足を使ってミドリに泥をかけ始めた。
「マタソレカダシ。ケド、ソノクライナラドウッテコトナイシ! ミドリ、つたこんぼう!」
「ぽに!」
オーガポンは答えてからつたこんぼうで泥を打ち消し、そのまま走り出してバウッツェルにつたこんぼうを振り下ろそうとした。
「……やっぱりそう来るよな。バウッツェル、かみくだくで受け止めろ!」
「バウ!」
振り下ろされたつたこんぼうをバウッツェルは鋭い牙でがっちり受け止めると、その様子にシュリは歯をギリッと鳴らした。
「クッ……オモッタヨリアゴノチカラガツヨイシ。ケンコウナノハイイコトダケド、ココデハッキシテコナクテモイイシ」
「オレだって辞めたとはいえここのボスだ。お前達みたいな奴らに連敗なんてしてられないんだよ!」
「オルティガさん……」
目の奥で闘志の炎を燃やすオルティガの姿にユウは呟いた後、決意を固めた様子で頷いてから右手を前に出した。
「ミドリ、けたぐり!」
「ぽに!」
ユウの指示でミドリがバウッツェルを蹴ると、その衝撃でバウッツェルはつたこんぼうを離しながらゴロゴロと転がった。
「バウッツェル!」
「オルティガさんが負けたくないと思ってるのはわかります。オルティガさんにもフェアリー組のボスとして、そしてポケモントレーナーとしてのプライドがあるからこそ負けたくないと思うんですよね」
「そうだよ……オレはスター団の中でもトップクラスの強さを誇っていたし、それまでだって負ける事はまったくなかった。けど、そこのハルトがオレに勝っていってスッゴく悔しかったんだ。だからこそ、オレは負けたくない。お前達の実力はわかっていても、オレだって何度も負けてられないんだよ!」
「そうですよね。僕だってやっぱり負けたら悔しいし、次こそはって思います。それに、自分よりも強い相手がいるとわかったらその実力は認めてもやっぱり悔しいですし、もっと強くなりたいと思います。僕もハルト君やネモの実力はわかっていてもそれ以上に強くなりたいですし、日々頑張ろうと思っていますから」
その言葉を聞いてオルティガがユウの目を真っ直ぐ見つめる中、ユウはテラスタルオーブを取り出した。
「だから、僕達も全力を出します! シュリ、いいよね?」
「ホントハオメンヲイレカエナガラタタカウプランダッタケド……マアイイシ。テラスタルシテノバトルモワルクナイカラガンガンイッタルシ!」
「うん! ミドリ、行くよ!」
「ぽに!」
テラスタルオーブを投げ上げると、ミドリは結晶に包まれ、それが砕けるとミドリの目の前には結晶化して巨大になったみどりのめんが現れていた。
「な、なんだこれ……」
「これがミドリの、オーガポンのテラスタルです」
「オモカゲヲヤドシテツヨクナッタミドリノチカラ、オモイシラセタルシ!」
「がおっ!」
シュリがユウの頭の上でヒレを組む中、ミドリは雄々しい鳴き声を上げた。