「オーリム博士とフトゥー博士ってたしかペパー先輩のご両親でしたよね?」
「その通りです。 昨夜、二人から連絡があり、ハルトさんとアオイさんと話をさせてほしいと言われたので、お二人にはご足労願ったのです。もっとも、どのようにしてお二人の事を知ったのかはわかりませんが……」
「それに、ミライドンを見てすごく驚いてましたよね。ミライドン自身は心当たりはなさそうでしたけど、博士達は嬉しそうにしてましたし、やっぱり何か大切な事を忘れてるのかな……」
「でも、これでコライドンとミライドンは博士達の所にいたのは間違いないって事になるよね。返さなくていいの?」
ネモの問いかけにハルトは頷く。
「うん、博士達はちょっとお世話出来ない状況になっているみたいなんだ」
「だから、しばらくは私達が預かって何があった時には連絡しあう事にしてるよ。連絡先も教え合ってるしね」
「因みにペパーについても話はしたんだけど、今は会えないって言ってたよ。会えないのは申し訳ないけど、理由があるからって」
「会えない理由……一体何があったんだろう……」
「ケンキュウジョニウッカリソトカラカギデモカケタノカシ?」
「それはないんじゃ……でも、会いたくないわけじゃなくて良かった」
ユウが安心したように微笑んでいると、オモダカはユウを見ながら優しい笑みを浮かべた。
「ユウさんはお優しいのですね。では、私はそろそろ失礼します。私の用事は済みましたので」
「わかりました。お気をつけてお帰り下さいね」
「はい、ありがとうございます。このアカデミーの皆さんの未来が輝かしい物になるように祈っています。では」
そう言うと、オモダカはグラウンドの入口へ向けて歩いていき、それを見送りながらユウはポツリと呟いた。
「なんというか……すごく存在感がある人だったなぁ……」
「ソレダケジツリョクガアルッテイウショウコダシ。サテ、コレデシュリタチガヤルコトモサダマッテキタシ。ユウ、チャンピオンクラスニナルタメニコレカラガンバルシ」
「やっぱりやらないといけないの……?」
「ヤルンダシ。ネモモユウガチャンピオンクラスニナッタラウレシイシ?」
「うん、それはもちろん。あと、ハルトとアオイも目指してくれたら嬉しいな。ハルトとアオイとも競い合えたらもっと楽しくなりそうだし」
ネモが両手を組みながら言うと、ハルトとアオイは顔を見合わせてから笑いながら頷き合った。
「せっかくだから目指してみるのも面白いかもね」
「だね。さっきのバトルを見て私も負けてられないなって思ったもん。それに、チャンピオンって呼ばれるのもなんだかかっこいいかも」
「かっこいいかもしれないけど、やっぱり自信ないなぁ……」
「ソウイッテモシカタナイシ。トリアエズ、モウスコシイロイロナミナオシヲスルシ。サッキモハナシアイハシタケド、コンドハハルトタチモマゼテハナシアイヲスルシ」
「おっ、いいね! ホームルームまで少し時間あるし、また二人の部屋を借りても良いかな?」
「うん、良いよ。ハルト君も良い?」
「もちろん。それじゃあ行こうか」
その言葉してユウ達は頷いた後、クラベルに声をかけてからグラウンドを歩いていった。そしてクラベルは微笑みながら見送っていたが、やがてその表情は真剣な物に変わった。
「やはりあの二匹はエリアゼロの……スター団の件もですが、あの二人の件も調べる必要がありますね……」
一人呟いた後、クラベルは賑わうグラウンドを真剣な表情のままで静かに歩き始めた。