「ふう……今日も朝から色々あったなあ」
夜、自室でユウが机に向かいながら独り言ちていると、ベッドに腰かけていたハルトは苦笑いを浮かべた。
「 カシオペアからのスター団解散への協力依頼に始まってリーフとの出会い、そしてネモとのバトルまで朝の内にあって、ホームルームではバトルの感想を聞かれてたからね。楽しめる人はいるだろうけど、ユウからすればだいぶ疲れる日だっただろうね」
「うん……でも、リーフと出会えたのは良かったし、少しだけでもバトルに慣れてきた気がするから悪い事ばかりじゃなかったかも」
「タシカニネモトノバトルハジブンデイロイロシジモデキタカラスコシハホメテモイイシ。ダケド、マズメザスベキハサイショカラサイゴマデユウダケデバトルガデキテ、カツショウリヲオサメルコトダシ。シュリガバトルニサンカデキナイバアイモアルカラ、ソコハメザスベキダシ」
「シュリの具合が悪い時だってあるだろうし、それはたしかに頑張らないと……」
「ネモのライバルにもなったしね」
ハルトがニヤッと笑いながら言うと、ユウは小さくため息をつく。
「……ネモは競い合える相手が出来たって言って嬉しそうにしてたけど、やっぱり僕には荷が重いよ」
「ソレハマダジシンガナイカラダシ。ジシンガツケバネモノライバルトシテムネヲハッテイケルシ」
「そうかな……でも、ネモが嬉しそうなのは見てて悪い気はしなかったかな。僕なんかでも喜んでもらえたわけだし」
ユウが頬を掻きながら言っていると、ハルトはため息をついてから立ち上がった。
「僕が思うに、ただのライバルじゃなくユウだったからこそ特に嬉しかったんだと思うよ」
「え? どういう事?」
「僕やアオイちゃんがライバルになってもネモは喜んだとは思うよ。競い合える相手は欲しかったみたいだし、僕達がチャンピオンクラスを目指す事も望んでたしね」
「う、うん……」
「でも、僕が見た感じだとネモは特にユウを気に入ってる気がする。たくさん喋るシュリやホムラ達のような珍しいポケモンを持ってるからじゃなく、ユウの性質そのものを気に入ってるんだよ」
「僕の性質を……」
「本人に直接確かめたわけじゃないけどね。ただ、ユウは慣れないながらもバトルで頑張ってるし、料理だって上手だ。それなら決してなんかじゃない。今でも胸を張って良いレベルだよ」
「ハルト君……」
ユウが見つめる中、ハルトは微笑みながら領く。
「今度あるっていう宝探しの中でユウが自分への自信を取り戻せるように祈ってるよ。それじゃあ僕はそろそろ寝るね」
「あ、うん……」
「オヤスミダシー、ハルト」
「うん、おやすみ」
そう言ってハルトはベッドへ戻ると、そのままベッドの中へと入っていき、ユウがその姿を見つめる中でシュリはユウに話しかけた。
「ハルトモソウイッテルナカデ、ユウダケガウジウジシテルハミットモナイシ」
「うん、そうだね。まだ自信もないし、自分はまだまだだと思けど、宝探しを通じて僕は頑張ってみたい。ううん、頑張るよ」
「ソノイキダシ」
「うん」
シュリの言葉に対してユウは笑いながら頷き、それをベッドの中で聞いていたハルトは安心したように微笑んだ。