「コノポケモンハピチューダシ。デモ、フツノトイロガチガウシ」
「色もそうだけど、しっぽのところにさいきょうの証があるみたいだし、この子もホムラ達と同じなのかもね」
「またさいきょうの証持ち·······どうしてさいきょうの証持ちとここまで縁があるんだろ?」
「ソレハワカラナイシ。ケド、マズハタベルノヲヤメサセルシ」
「あ、それもそうだね」
シュリの言葉に返事をした後、ユウはピチューへ手を伸ばした。すると、ピチューは驚いた様子で頬の電気袋から火花を散らし、目を固く瞑りながら放電した。
「ピ……チュー!」
「うわっ!?」
「ユウ、大丈夫?」
「う、うん……僕は大丈夫だけど……」
ユウが再びピチューに視線を向けると、ピチューは軽く目を回しながらフラフラとしており、その姿にネモは苦笑いを浮かべた。
「あはは……ピチューは電気を溜めこむのが苦手だから、ちょっと驚いたり刺激を受けたりするだけで放電しちゃうんだよね」
「ソレデトキニハソレニオドロイテナキダスンダシ」
「な、なるほど……ピチュー、大丈夫?」
「ピ、ピチュー……」
ピチューがフラつきながら答える中、ユウはピチューの近くに転がった開いているホイップクリームのチューブや食べかけのイチゴなどを拾ってそれを空いている袋へと入れた。
「リーフ達もそうだったけど、この子もお腹が空いてたのかな?」
「ソウカモダシ。マアさいきょうの証モチガイツモハラペコナノハオイテオクトシテ、コノピチューハドウスルシ? デンキタイプハイナイカラゲットスルシ?」
「そういえばヌシかもしれないオトシドリは飛行タイプだし、弱点になる電気タイプはいたら助かりそうだね。それに、ピチューは進化したらピカチュウになるし、ちょっと肖りたいかもしれない」
「肖るって?」
「カントー地方出身のポケモントレーナーで強いピカチュウを連れてた人がいるんだ。だから、その強さに肖ろうと思ってね」
「強いポケモントレーナー……! っと、その話は後で聞くとして今はその子だね」
ネモが視線を向けるとピチューは不思議そうに首を傾げた。
「ピチュ……?」
「ねえ、ピチュー。キミの事をゲットしても良いかな? 嫌ならそれでも良いけど……」
「ピチュ……」
ユウの問いかけに対してピチューは迷った様子を見せていたが、 ピチューの腹部から小さな音が鳴ると、ピチューはその場にへたりこんだ。
「ピチュ……」
「やっぱりお腹が減ってるんだね」
「食べ物をこっそり持っていってたしね。このまま放ってはおけないし、ピチューと一瞬にピクニックして私達も腹ごしらえしようか」
「うん、そうだね。僕がご飯は準備するから、ネモはこの子を洗ってあげて。 ホイップクリームとイチゴもそうだけど、泥とかで少し汚れてるところがあるみたいだから」
「うん、了解」
「レッツ、ピクニックダシ!」
そしてユウ達はそれぞれの作業に移り始めた。