「着いた! 二人とも、ここがセルクルタウンだよ!」
町の入口に立ちながらネモは町を背に言った。
「ここが…....なんだか黄色い建物が多いけど、雰囲気が落ちついた感じの町なんだね」
「ユカモイシダタミダッタリシゼンモスコシオオメダッタリスルシ。ソレニ、マチノヒトタチガツレテルポケモンモムシタイプガオオイシ」
「ジムがある所はその担当タイプのポケモンを持ってる人がちょっと多いからね。だから、ジムに挑戦する前は町の様子を眺めてからの方がタイプもジムリーダーが出してきそうなポケモンも予想がつくかもね」
「なるほど……」
「ただ、ジムリーダーはそれだけじゃなく──」
「あらぁ? ネモさん、お久しぶりですー」
「え? あ、カエデさん!」
振り向いたネモは声をかけてきた人物を見ながら嬉しそうな顔をした。その人物は丸く大きな白い帽子を被った白い服の女性であり、話し方からも伝わるそのおっとりとした雰囲気にユウはポカンとしていた。
「ネ、ネモ……この人は?」
「この人はカエデさん。これからユウが戦うセルクルジムのジムリーダーでムクロジのオーナーさんだよ」
「え!? この人がテーブルシティで話してた!?」
「うふふ、改めましてカエデです。貴方はお菓子は好きですか?」
「あ、はい……食べるのもそうですけど、作るのも好きです」
「ユウは料理を作るのが得意なので、カエデさんと気が合うと思いますよ」
ネモが自慢げに言うと、カエデは口元に手を添えながらクスクス笑った。
「そうですか。たしかに良いお話が出来そうです。さてユウさん、まずはジムテストを頑張ってくださいね。応援してますよ」
「あ、はい。ありがとうございます……」
「うふふ、それではまた後程」
そう言い、カエデがゆっくり歩いていくと、その姿を見ながらユウは苦笑いを浮かべた。
「なんだか独特な感じの人だなぁ……」
「あはは、たしかにね。さってと、それじゃあ早速ジムの建物に行ってジムテストを受けちゃおう」
「サンセイダシ。ユウ、イクシ」
「うん」
返事をした後、ユウはネモと一緒に歩き出し、そのままジムの建物の中へと入った。建物のエントランスにはジムのスタッフの他にも挑戦者と思われるトレーナーやアカデミーの学生がおり、学生達はネモの姿に驚いていた。
「やっぱりネモがここに来るとは思ってなかったみたいだね」
「まあ、私は今更ジム巡りをする必要はないからね。さて、それじゃあ受付を済ませちゃお」
「うん、わかった」
ユウは頷いた後、カウンターの前に立った。
「あの、ジムに挑戦したいんですけど……」
「挑戦ですね。お名前をお伺いしても良いですか?」
「あ、ユウです」
「ユウさんですね。では、ジムリーダーへの挑戦の前にジムテストをしていただきます。その内容は……」
ユウが緊張した面持ちで唾をゴクリと飲み込む中、スタッフは笑顔で口を開いた。
「オリーブ転がしです!」