「よし……ホムラ、まずはりゅうのはどう!」
「カゲ!」
ホムラは返事をすると、口から細長い竜の形をした光線を吐き出し、それがヒメグマに向かってくる中でカエデはクスリと笑った。
「そんな技も持っているのね。でも、そのくらいならどうにでもなってしまうわ。ヒメグマ、みだれひっかきで打ち消しちゃってー」
「クマ!」
ヒメグマは大きく頷くと、再び爪を光らせてりゅうのはどうを引き裂き、それが終わった後に自分の右手を口元へと運んだ。
「クマ……」
「今のは……うん、やっぱりそうだ」
「……ナントナクイイタイコトハワカッタシ」
「流石シュリ。だから次にやるべきは……」
ユウがヒメグマに注目する中、カエデは少し困ったような笑みを浮かべた。
「どんな事を思いついかと期待していましたけど……そろそろ終わりにした方が良いかもしれませんねー。ヒメグマ、あまいかおり!」
「クマ!」
ヒメグマは返事をすると同時に甘い香りを漂わせ、それはホムラに届くと、ホムラの目はとろんとした物に変わった。
「……やっぱりあまいかおりをしてきた。でも、それなら! ホムラ、匂いを嗅いで!」
「え!?」
「クマ!?」
ユウの言葉にカエデとヒメグマが驚く中、ホムラはハッとしてから辺りの匂いを嗅ぎ始めた。そしてホムラはヒメグマに視線を向けると軽く舌なめずりをしてから走り出し、ヒメグマの右手にかぶりついた。
「カゲ」
「クマ!? クーマー!」
「ヒメグマ!」
ヒメグマは自分の右手を咥えるホムラを離すために目に軽く涙を溜めながら手をふり回したが、ホムラはまったく離そうとせず、その様子にシュリは小さく息をついた。
「ホムラ、アマリニモクイシンボウダシ……」
「ホムラは食べる事、特に甘い物を食べるのが大好きで、おやつを作ってるとすぐに近寄ってくるんだ。そして、ヒメグマには甘いミツに手をひたして染みこんだ物を舐めるっていう習性がある」「カエデハオカシヤサンダカラヒメグマハヨリジョウシツナミツヲモラッテルカノウセイガアリ、あまいかおりよりもイイカオリガシテアマイモノズキノホムラガクイツクトオモッタワケダシ」
「そういうこと。そしてああやって右手を咥えている間は攻撃を避けたくても避けられない状態になってる。だから、だいもんじだって今なら確実に当てられる!」
「ユウニシテハナカナカカンガエタシ。サア、ソロソロオワリニスルシ、ユウ!」
「うん!」
ユウは大きく頷くと、右手を突き出しながら私ろに指示を出した。
「ホムラ、だいもんじ!」
「カゲ!」
ホムラは返事をするために一度口を離した後、すぐにだいもんじを放った。そして距離が詰められていた事でヒメグマはだいもんじを避けられず、ヒメグマにだいもんじが諸に命中した。
「クマー……!」
「ヒメグマ!」
ヒメグマはだいもんじを受けると、頭上のテラスタルジュエルは粉々に砕け、それと同時にヒメグマも砕け散った。そして、結晶化が解けたヒメグマは目を回しながらその場で倒れた。それを見ながらカエデが哀しそうにため息をつく中、審判はヒメグマの様子を見ると、ユウ達の方へ高く旗を掲げた。
「ヒメグマ、戦闘不能! ヒトカゲの勝ち! よって、勝者はチャレンジャーユウ!」