サンドイッチを食べ始め、ユウとネモのポケモン達がその味に嬉しそうな声を上げる中、その様子を見ながらユウは満足そうに頷いた。
「今日も美味しく出来てたみたいだね。オトシドリ、キミはどう?」
「シド……」
「オイシイミタイダシ。シュリテキニモキュウダイテンダシ」
「ふふ、それならよかった。さてと、オトシドリ。キミがそのひでんスパイスを大切にしてるのはわかってるよ」
「オト」
「でも、キミさえよかったら少し分けてもらいたいんだ。もちろん、無理にとは言わないよ。昨日は僕達の友達が来て少し持っていったけど、彼らにとってはどうしても欲しい物だったみたいだったからで、僕達の場合はどんな物なのかなっていうぐらいだから」
ユウの話をオトシドリが静かに聞く中、ユウは優しく微笑んだ。
「だから、どうかな? スパイス、少しだけ分けてもらえないかな?」
「オト、オトオトシ」
「ヤッパリ、チョットムズカシイトイッテルシ」
「あはは……それはそうだよね」
「シドシド、オトシシド」
「ケド、ユウナライイトイッテルシ。ムリヤリモッテコウトシテルワケジャナイシ、コノスパイスノカブヲゼンブモッテイッテクレルナラモンダイナイトイッテルシ」
「か、株全部!? でもそんな事をしたらキミの分が全部無くなっちゃうよ!?」
ユウが驚く中、オトシドリは自身の頭をユウの手に擦りつけ始めた。
「オト……」
「ソノカワリ、ジブンモツレテイッテホシイヨウダシ」
「キミも……うん、もちろんだよ! オトシドリ、これからよろしくね」
「シド!」
オトシドリが嬉しそうな鳴き声を上げる中、話を聞いていたネモは微笑みながらユウに話しかけた。
「よかったね、ユウ。やっぱりユウの料理は胃袋と心を掴んじゃうんだなあ」
「今のところ、サンドイッチしか振る舞えてないけどね」
「ソレダケデモココマデヒキツケテルジテンデスゴイシ。ソレデ、オトシドリノニックネームハドウスルシ?」
「オトシドリのニックネームか……」
「チナミニ、オトシドリモメスダシ」
「うん、わかった」
シュリの話を聞いた後、ユウはオトシドリのニックネームを考え始めた。そしてしばらくして思いついた様子で嬉しそうに笑った。
「よし、これにしよう。 オトシドリ、キミのニックネームはクロハだ」
「クロハ……ハネノクロイトコロニチュウモクシタンダシ?」
「ん。オトシドリ、どうかな?」
「シド!」
「イイミタイダシ」
「うん、わかった。それじゃあこれからよろしくね、クロハ」
そう言いながらユウがモンスターボールをコツンとぶつけると、クロハはボールの中へ吸いこまれていき、三度ほど揺れた後に青い光を放って動きを止めた。
「よし、ゲット。これで六体目だけど、思ったよりもポケモンが集まっていくなあ」
「その内の三匹はさいきょうの証持ち、一匹はヌシだからね。本当にスゴいと思うよ」
「コノサキモモットイロイロナポケモンタチトデアッテイクカラ、モシカシタラデンセツノポケモンモナカマニナッタリモシソウダシ」
「そ、そこまでは流石に……さてと、それじゃあそろそろ片づけてスパイスを採取しよう。そしてその後は……」
「スター団あく組・セギンのアジトだね。どうなるかはわからないけど、とりあえず行ってみて、話せそうならしっかりと話をしてみよう」
その言葉にユウ達は頷いた後、ピクニックの後片づけをし、ひでんスパイスの採取を終えてからセギンのアジトへ向けて歩き始めた。