山を降りていった後、ネモが道中のトレーナー達とのバトルを楽しむ中でユウはスマホロトムに表示されているチーム・セギンのアジトの位置を確認していた。
「えーと……この先みたいだけど、近くにカラフシティがっていう街があるんだね」
「そうだね。カラフシティは砂漠の近くにある水の街で、ジムも水タイプのジムなんだよ」
「水タイプ……そうなると、リーフとミカヅチに頑張ってもらう事になるね」
「ソウナルシ。アト、イマハイナイケド、コオリタイプノワザノナカニハミズタイプノポケモンニコウカバツグンノワザガアッテ、イワタイプ
ノワザノナカニハミズタイプトハガネタイプニオオクノダメージヲアタエツヅケルワザガアルシ」
「フリーズドライとしおづけだね。それが使えたらたしかに有利にはなるかな。でも、フリーズドライが使えるポケモンは少し遠くにあるナッペ山に多くいるし、しおづけが使えるジオヅムやキョジオーンもまずはコジオを捕まえないといけない上に水タイプが弱点の岩タイプだから、無理はせずに草タイプと電気タイプで戦う事にして良いと思うよ」
「そっか……まあでも、今はチーム・セギンのアジトが目的地だし、挑戦する時になったらまた考えようか」
「うん、そうだね。それでアジトは……あ、あそこに何かあるよ!」
ネモが指をさした先には黒地に黄色い星の模様が描かれた旗が揚げられた高台が二つあり、近づいたユウ達はそれを静かに見上げた。
「大きい旗……これ、もしかしなくてもチーム・セギンのアジトの目印かな?」
「そうだろうね。そうするとこの先にあるはずだけど……」
「ん? お前達は……」
「え?」
その声に驚きながらユウ達が振り返った先には、一人の人物がいた。その人物はグリーンアップルアカデミーの夏服を着た少々年老いた男性であり、サングラスの奥の眼光は鋭く、整髪料で固められた少々金色みがかったリーゼントはとても立派だった。
「……クラベル、ナニヲシテルシ?」
「俺はクラベルじゃない。今の俺はネルケだ」
「イマノトカイッテルシ……」
「ネルケ……あ、ハルト君達が言ってた! は、初めまして……」
「エー……ダシ」
「あはは……まあそれはさておくとして、ネルケさんはどうしてここに? たしかチーム・セギンのアジトは昨日壊滅させたんですよね?」
その問いかけにネルケは静かに頷く。
「ああ、そうだ。だが、まだ少し気になる事があってな。それで、もう少しこの辺りを探ろうとしていたんだ」
「気になる事……ですか?」
「マジボスの正体、そしてチーム・セギンの今後だ。団の掟によってチーム・セギンのボス、ピーニャはボスの座を退いた。そうなると、チーム・セギンはそのまま自然消滅するのか仮のボスを決めるのかそこが気になってな」
「そうか…もしも別のボスが出来たらその方針によってはもっと酷い事をする可能性が──」
「ピーニャさん、行かないでください!」
突然聞こえた声にユウ達は視線を向ける。
「今のは……」
「アジトで何かあったようだな。お前達、行くぞ」
ネルケの言葉にユウは頷くと、そろって走り出した。そして走る事数分、石で作られた壁や大きな旗が見え始めたその時、そこには数人の男女の姿があった。