ポケットモンスター~偽竜の司令官~   作:九戸政景

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第六十話

「ピーニャさんしか私達のボスはいないんです!」

「ピーニャさん、戻ってきてください!」

「だから、僕はもうボスに戻る気はないんだって……」

 

 

 ピーニャと呼ばれた黒髪の少年は困った顔で答えており、その姿にユウはどうしたら良いかわからない様子を見せた。

 

 

「えーと……どうしようか」

「お取り込み中のようだし、ボスとして新しい人を見つける気もなさそうだから、ネルケさんも安心じゃないですか?」

「まあな……しかし、あのピーニャという少年は本当に慕われているな」

 

 

 ネルケが呟いていると、それが聞こえた様子でピーニャ達はユウ達の方を向いた。

 

 

「あ、昨日もいたネルケさんと……そっちにいるのは生徒会長のネモさんか」

「うん、そうだよ。チーム・セギンのボスのピーニャ君」

「元だよ。昨日、ハルト君にボッコボコにされたからね」

「ハルト君、本当に強いみたいだからね」

「ん、キミは?」

「あ、初めまして。僕はユウ、ハルト君達の友達で頭の上にいるのは手持ちポケモン兼ポケモン達の指示役のシュリです」

「シュリダシ。ヨロシクサレテヤッテモイイシ」

 

 

 シュリが胸を張りながら言うと、スター団員達がシュリの物言いに対して苛立ちを感じた様子を見せる中でピーニャは愉快そうに笑い始めた。

 

 

「あっはは、中々面白いシャリタツだね。それにしても、指示役か·······フェアリー組のオルティガと出会わせたらどんな化学反応が起きるか見てみたいところだね」

「フェアリー組……どんな人なんですか?」

「司令官気質があるスター団のメカニックだよ。スターモービルっていう機械も作ってくれたんだけど、どんな物かは聞いているかな?」

「いえ。どんな物なんですか?」

「たきとうポケモンのブロロロームやカルボウの進化形達の力を借りて動かす車で、前側に人が一人立てる台みたいなのが付いていて、そこに立ちながらスターモービル自身もポケモンバトルが出来るんだ。もっとも、ここにあったセギン・スターモービルは壊れてしまったけどね」

「壊れた?」

「昨日のバトルでも繰り出したんだけど、ハルト君のパーモットにあっさりやられてしまってね。ブロロローム達は回復したけど、スターモービル自体が故障したから、オルティガに見てもらわないと動かす事すら出来ないんだ」

 

 

 ピーニャが苦笑いを浮かべる中、ユウは申し訳なさそうな顔で頭を下げた。

 

 

「なんかすみません。大切な物でしたよね?」

「あはは、キミが謝る必要はないよ。それに、彼だって謝るような事はしていないしね。それで、キミ達はどうしてここに来たんだい?」

「えっと……ボス達の上にいるっていうマジボスの事について聞きたくて……」

「俺はマジボスの正体並びにチーム・セギンの今後を聞きに来たんだが、今後についてはまだそこまで心配はいらなそうだな」

「それは問題ないけど、マジボスについてねぇ……昨日も言ったように僕達ボスですら直接会った事がないから、顔も名前も知らないよ?」

「会った事がない……?」

 

 

 ユウは不思議そうに首を傾げる。

 

 

「そう。全部スマホロトムを使った通話だったから、声しか知らないんだ。でも、僕を含めたボス達を集めてスター団を作り上げた手腕はたしかだし羨ましいと思ってるよ。そこまで出来たら僕も生徒会長から降ろされなかったのかな……」

「ソレハワカラナイシ。フム……トコロデ、カシオペアトイウナマエニキキオボエハアルシ? アカデミーノカンケイシャラシイシ」

「カシオペア……いや、ないかな。アカデミーでも聞き覚えはないし……」

「そうですか……ありがとうございます。答えてくれて」

「どういたしまして。あ、そうだ……ここで会ったのも何かの縁だ。僕とバトルをしてくれないか?」

「ピーニャさんと……やっぱりネモとですか?」

「……そうだね。元先徒会長と現生徒会長のマッチなんてそうそう見られないし実に胸が熱くなるからね」

 

 

 そしてピーニャはワクワクした様子で自身を見つめるネモに視線を向けた。

 

 

「ネモさん、僕とポケモンバトルをしてくれないか?」

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