「今日も色々な出会いがあったなあ……」
その日の夜、アカデミーの自室でエネココアが注がれたカップを片手に呟いていると、それを聞いていたハルトはクスリと笑ってからカップに注がれたエネココアを一口飲んだ。
「ヌシとひでんスパイスのゲットにスター団あく組との食事会まであったからね。そういえば、あく組のボスには戻らないとは言ってたけど、マジボスと直接会いたいから団自体は続けていくみたいだね」
「カシオペアは望んでない事かもしれないけど、何も言ってこなかったし、たぶんこれで良いんだよね」
「オソラクソウダシ。ソレニ、ナニカイワレタッテシッタコトデハナイシ」
「うーん……まあいいか。そういえば、食事会の時に知ったけど、ピーニャさんがスター団の掟を作ったみたいだね。BGM担当とは言ってたけど、掟まで頼まれて作ってたなんて流石だなあ」
「昔はガチガチの校則を作っていたようだけど、今ではほのお組のボスからも今のピーニャさんの掟なら守っても良いと言われるくらいにはなっていたようだし、生徒会長じゃなくなったのは結果的に良かったのかもしれないね」
そう言ってからハルトがエネココアをもう一口飲んでいると、ユウの頭の上でシュリは小さくため息をついた。
「ソレニシテモ、テラスタルヲワスレテタノホントウニウッカリシテタシ。ジムバトルデモカエデニツカワレテタノニシュリタチガマダテラスタルオーブヲモッテナイコトヲオモイダセナカッタノハホントウニヌカッタシ……」
「そのためにこうして一度アカデミーまで戻ってきたんだもんね。テラスタルかぁ……アオイちゃんは楽しみにしてたけど、やっぱり僕は不安だなぁ」
「バトルの間だけとはいえ、ポケモン達を結晶化させるわけだからね。一応、副作用はないみたいだけど、ポケモン達はどう思ってるんだろう」
「ショクジカイチュウニパモニキイタケド、フシギナカンカクニハナッテルケド、カラダノオクカラチカラガワイキテ、タタカウンダッテイウキモチ二ナルヨウダシ」
「ポケモンの闘志を高める効果はあるんだね。とりあえず、ポケモン達が嫌がらなかったらテラスタルはする感じで良いかな」
「使えば戦略性は上がるみたいだけど、僕みたいに不安がる子はいるだろうし、そこはみんなに聞いてからかな」
「ソレデイイトオモウシ。トコロデ、アオイハホゲータヲジムバトルデツカッタトオモウケド、ハルトハジムバトルハナニツカッタンダシ?」
「ホゲータの最終進化系のラウドボーンだよ。ただ、レベルが違いすぎて本当に圧倒的な勝負になっちゃったから、カエデさんも驚いていたよ」
「ゲンジョウ、シュリタチノナカデハホンキノテモチノネモトワタリアエルノハハルトダケデ、クロエガイタムレノリーダーノヘルガーモタオセルホドノジツリョクモアルカラ、ショシンシャヨウニチョウセイサレタポケモンナラソウナルノモシカタナイシ」
シュリが頷きながら言う中、ユウは窓から月を見上げながらポツリと呟いた。
「……僕、もっと強くなれるかな」
「ソレハユウノガンバリシダイダシ。イマデモイロイロカンガエナガラタタカエテイテ、ショウリモオサメラレテイルカラ、モットバトルノテクニックヲマナンデ、ソレヲジブンノモノニシテイケバイイシ」
「そうだね。ジムバトルの時もユウのアイデアが功を奏した結果、最後勝てたわけだし、勝ちたいという思いは持ちながらもバトルを楽しむ事を忘れなければ大丈夫だよ」
「バトルを楽しむ……うん、そうだね。ネモもただ勝つ事よりもバトルを楽しむ事を大切にしてるみたいだから、僕も少しずつポケモンバトル自体を楽しめるように頑張るよ」
「ソノイキダシ」
「僕に答えられる事であれば答えるから色々聞いてね」
「うん」
その後、ユウ達はポケモンバトルの話に花を咲かせ、エネココアの香りが広がる中、室内は楽しそうな声が夜遅くまで満ちていた。