「はいっ! という事で、これからテラスタルについての特別授業を始めるよ!」
翌朝、アカデミーのグラウンドでネモは満面の笑みを浮かべていた。そしてそれと向かい合う形でユウ達が立っており、その手にはテラスタルオーナが握られていた。
「センセイヤクハネモデイイノカシ? センヨウノキョウシトカジュギョウハナイノカシ?」
「私が推薦されたからね。生徒会長でチャンピオンクラス、かつ三人とは歳が近いからって事らしいよ」
「ああ、なるほどね」
「これが私のテラスタルオーブ……! 本当にもらって良いの?」
「うん。私が三人を推薦したから配布されたものだからね」
「推薦?」
ユウの問いかけにネモは微笑みながら頷く。
「そう。本当はシュリが言ってたように授業があるんだけど、私が三人なら大丈夫です、って言ったから、私が先生としてテラスタルの事を教える事になったんだ」
「専用の授業は免除だけど、テラスタルについてのおさらいはしないといけないって事だね」
「そういう事。さて、それじゃあ始めていくけど、まずはテラスタルをするとどうなるかだね。テラスタルはこのテラスタルオーブを使う事で出来るんだけど、テラスタルをすると、そのポケモンのテラスタイプに応じてタイプが変化するよ」
「テラスタイプ….....そのポケモンによって異なっていて、複数のテラスタイプに一度になる事はないんだよね?」
「そうそう! どんなポケモンでもテラスタルをしたらタイプが一つになって、みずびたしやハロウィンみたいなタイプを変化させたり増やしたりする技も失敗するんだ」
「ヨウスルニ、テラスタルシタラバトルガオワルマデハタイプハコテイサレルワケダシ」
「その考え方で良いね。そして、テラスタイプによってバトルで有利になる事があるんだけど……アオイ、答えられるかな?」
「え? えっと……元のタイプと同じだとその技の威力が更に上がって、別のタイプだとそのタイプの技を使った時に威力が上がるんだったよね?」
少し自信なさげなアオイの解答を聞き、ネモは嬉しそうに頷いた。
「うんうん、そうだね。そして、ポケモンによっては元のタイプだと弱点になるタイプに有利なテラスタイプを持ってたり特性と組み合わせて弱点を無くせたりするから、テラスタイプって本当に重要なんだ」
「特性で弱点を……たしかに前に聞いた事があるような……」
「モウイチドイウト、トクセイノナカニハトクテイノタイプノワザヲムコウ二スルモノガアッテ、ホノオタイプノワザヲムコウニシテツギニジブンガツカウホノオタイプノワザノイリョクヲアゲラレルもらいびやジメンタイプノワザヲゼンメンテキ二ムコウニスルふゆうナンカガアルシ」
「他にも電気タイプに対応したちくでんやひらいしん、みずタイプに対応したちょすいやよびみず、草タイプに対応したそうしょくなんかもあるね。そしてそれらの特性は普通にバトルする上でも役立つから、こういうのがあるんだくらいでも良いから覚えておくと後々助かると思うよ」
「うん、わかった」
ユウが頷くと、ネモは待ちきれないといった様子でテラスタルオーブを握り締めた。
「さあ! 早くテラスタルしてみよう! みんなはどの子をテラスタルさせたい? 」
「私はもちろんホゲータ!」
「僕は……うん、せっかくだしウェーニバ──」
その時、ハルトのモンスターボールの内の一つが開き、中から黒い仮面のような物をつけた緑色の猫型のポケモンが姿を現した。
「ニャウ」
「あれ、マスカーニャ? もしかしてキミがテラスタルしたいの?」
「カーニャ」
「うん、わかった。ユウはどうする?」
「それじゃあ僕は……」
「ココハ……シュリガイッテミルシ!」
そう言うと、シュリは高くヒレを挙げた。