「先攻は譲りましょう。どこからでもかかってきて下さい」
「わ、わかりました……! よし……シュリ、フカマルにちょうはつ!」
「ホゲータはりんしょう!」
「ワカッタシ!」
「ホゲ!」
シュリ達が返事をし、ホゲータが大きな口を開けて音波を発する中、シュリはふんぞり返りながらフカマルへヒレを向けた。
「サア、カカッテクルシ。ビビッテルノカシ?」
その瞬間、フカマルは苛立ちを感じたような表情をし、怒りを露にしながらじだんだを踏み始めた。
「フカ、フカー!」
「おやおや、フカマル先輩がお怒りのようですね。ですが、ちょうはつの効果中でも攻撃技であれば問題なく使用出来ます。フカマル先輩、りゅうのいかりをお願いします」
「フカ!」
フカマルは大きく頷くと、口から紫色の光線を放ち、飛んできていた音波を迎え撃った。そしてりゅうのいかりとりんしょうが共に消し飛ぶと、シュリは小さく舌打ちをした。
「チッ、ヤッパリソウウマクハイカナイカシ。ケド、ちょうはつデアイテハコウゲキワザシカツカエナイシ。ワザヲシバレテイルノハテンカイトシテワルクナイシ」
「でも、他にどんな技を持ってるんだろう……」
「ホゲ……」
「カンガエラレルノハイクツカアルシ。ケド、イマノダンカイデアレコレカンガエテモシカタナイシ。デタトコショウブデイクシ」
「う、うん……! シュリ、行くよ! こごえるかぜ」
「リョウカイダシ!」
「ホゲータは……うん、ひのこ!」
「ホゲ!」
シュリ達が返事をし、それぞれの技を放つ中、ハンサクは一切焦らずにフカマルに指示を出した。
「フカマル先輩、あなをほるをお願いします」
「フカ!」
フカマルは返事をすると勢いよく穴を掘り出し、こごえるかぜとひのこは穴の上を素通りしていった。
「あなをほるトハマタヤッカイナワザヲ……アオイ、コノママダトホゲータガピンチダシ。シッカリキヲツケルシ」
「うん! ホゲータ、音に気をつけようね……!」
「ホゲ……!」
アオイの指示に従い、ホゲータは辺りを見回しながら周囲の音に耳を澄ませた。そしてユウ達の息遣いだけがバトルコートを支配していたその時、シュリの足元が盛り上がり、そこからフカマルが飛び出した。
「フカー!」
「ク……!」
「シュリ!」
「何も指示していないのにシュリを狙ってきた……!?」
「地中にいても誰がどこにいるかは僅かな音だけでも判別が出来ますし、司令官気質というだけあってかシャリタツだけが辺りをより見回していた事で明らかに息遣いが増えていましたからね。
そして、野生のフカマル達には洞窟の横穴に潜んで獲物が来るのを待つ習性があり、フカマル先輩も同じようにあなをほるを使って遊ぶのが好きなので穴の中から飛び出すのは得意なのですよ」
ハッサクが落ちついて話す中、受けたダメージによって顔をしかめるシュリにユウは声をかけた。
「シュリ、大丈夫?」
「ダ、ダイジョウブダシ。ケド、アノフカマルノコウゲキリョクハナカナカキョウイダシ。ソレニ、ソロソロちょうはつノコウカモキレルカラサラニヤッカイナコトニナルシ……」
「これが四天王なんだね……」
「ホゲ……」
ユウ達がハッサクを見つめる中、ハッサクは何も言わずにスーツのポケットからテラスタルオーブを取り出した。
「テラスタルオーブ……!」
「はい、その通りです。この状況で使うのは中々大人げないと思います。ですが、この先も皆さんがジム巡りをし、様々なバトルを経験するならば、これから小生が行う事にはいずれ遭遇するでしょう。なので、これは授業の一環としてお見せしましょう」
「クルシ……!」
「さぁ、刮目なさい! 大いなる竜の力、そして己以外を支配するその姿を!」
その言葉と同時にテラスタルオーブが光り出すと、ハッサクはテラスタルオーブを投げ上げた。
そして、フカマルは足元から出現した水晶に包まれたが、水晶は粉々に砕け散り、その中から神殿を思わせる茶色のテラスタルジュエルを被ったフカマルが姿を現した。