「こ、これは……?」
「このタイプのテラスタルジュエルは初めてですか。これは岩タイプのテラスタルジュエルですよ」
「岩タイプ……でも、岩タイプは水タイプが弱点だし、水タイプを持ってるシュリならまだ有利なんじゃ……」
「アイショウジョウナラソウダシ。タダ、ハッサクノネライハソコジャナイシ」
「え?」
シュリの言葉にユウが首を傾げる中、フカマルは平静を取り戻し、その姿を見たハッサクは満足そうに頷いた。
「どうからフカマル先輩にかかっていたちょうはつの効力が切れたようですね。では、早速参りましょう。フカマル先輩、すなあらしです!」
「キラフカ!」
フカマルは大きな声で返事をすると、両手を大きく広げた。すると、フカマルの周囲に大きな砂の渦が発生し、それはバトルコート中に広がった。
「う……し、視界が……」
「コレハヤラレタシ……すなあらしはにほんばれノヨウニテンキヲカエルワザデジメンタイプトハガネタイプ、アトハイワタイプノイチブノトクセイモチイガイハテイキテキニダメージヲウケルンダシ。デモ、すなあらしノコワイトコロハホカニモアルンダシ」
「すなあらし状態では岩タイプの特殊防御力が上がります。そして、フカマル先輩は現在テラスタルをしている事で岩タイプになっています。そのため、先程よりも守りが固くなっているというわけです」
「ただでさえ攻撃が全然当たってないのに、ダメージを更に与えづらくなってるなんて……これじゃあますます劣勢だよ」
「……イヤ、ソレヨリモマズイカモシレナイシ」
「え?」
シュリの言葉にユウが疑問の声を上げていると、ハッサクは不敵な笑みを浮かべた。
「どうやらフカマル先輩の特性に気づいたようですね。さあどうぞ、どこからでも攻撃をしてきてください。
「……ソノサソイニノルノハシャクダケド、ノルシカナイシ。ユウ、アオイ、ヤルシ!」
「う、うん……! シュリ、りゅうのはどう!」
「ホゲータはひのこ!」
「リョウカイダシ!」
「ホゲ!」
二匹は返事をした後、それぞれ攻撃をしかけた。しかし、フカマルが棒立ちの中でも二匹の攻撃はフカマルの横を通っていき、その光景にユウとアオイは驚いた。
「フカマルが止まってるのに当たらない……!?」
「トクセイノセイダシ。アノフカマルノトクセイハオソラクすながくれ。すなあらしジョウタイノトキニウケルダメージヲムコウニシテ、すなあらしノトキダトアイテカラノコウゲキがアタリヅラクナルシ」
「つまり……今のフカマルは攻撃も少し当てづらい上に物理攻撃じゃないとダメージを与えづらいって事?」
「ソウイウコトダシ。トクシュコウゲキガオオイウエニヒッチュウワザヲモタナイシュリタチニトッテゼツボウテキダシ」
シュリが悔しそうに言う中、ハッサクは目を閉じながら腕を組んでいたが、やがてその目は大きく開かれた。
「では、そろそろ終わりにしましょう! フカマル先輩、あなをほるです!」
「キラフカ!」
フカマルは返事をすると勢いよく穴を掘り始め、シュリはフカマルが地中に姿を消した後、すなあらしのダメージを受けながらも頭を地面につけ始めた。
「ホゲータノホウヘイッテルシ!」
「こっちだね! ホゲータ、地面へ向かってりんしょう!」
「ホゲ!」
ホゲータは大きく頷くと、地面へ顔を向けてそのまま音波を飛ばし始めた。
「ホゲー!」
「ほう……地中へ向けてりんしょうを放つ事でフカマル先輩に対してのカウンターを決めようという事ですか。考えましたね。ですが、その程度の攻撃ではフカマル先輩はひるみません! フカマル先輩、やってしまいなさい!」
その声と同時にフカマルは地面から飛び出し、その衝撃でホゲータは上空へ飛ばされた。
「ホゲー……!」
「ホゲータ!」
「そ、そんな……」
「よそ見をしている暇はありませんよ。フカマル先輩、シャリタツにドラゴンクロー!」
「キラフカー!」
フカマルは返事をした後に身をひるがえしながら爪を緑色に光らせ、そのままシュリへと振り下ろした。
「キラフカ!」
「グッ!」
「シュリー!」
ユウの声が響く中でシュリはその場に倒れ込むと、先に倒れて回していたホゲータと共にテラスタルが解除された。
そしてその姿を見ると、ネモは少し残念そうに笑ってから、ハッサクの方へ向けていた手を高く挙げた。
「そこまで! 勝者はハッサク先生!」