「テラバースト……?」
「そう。今言ったようにそのポケモンのテラスタイプに応じてタイプが変化する技だよ」
「テラスタイプとタイプが同じになる……そんなのがあるんだね。でも、その技って強いの?」
「使い方次第ではあるけど……一番効果的なのは、自分のポケモンの弱点の弱点がテラスタイプだった時かな。例えば、アオイのホゲータは炎タイプだけど、炎タイプの弱点は何かな?」
「えっと……水タイプと地面タイプ、あと岩タイプだよね?」
「はい。アオイさん、大正解。それじゃあ共通する弱点は?」
「草タイプだけど……あっ、そうか!」
アナイが嬉しそうに言うと、ネモは笑みを浮かべながら頷いた。
「わかったみたいだね。テラスタイプが自分の弱点のタイプの弱点のタイプだとテラバーストも効果的になるし、タイプ相性の面でも相手に対して有利になれるんだ」
「たしかに相手からすればだいぶりづらくなるね。有利だと思ってたのにいきなり不利になるからね」
「そうだけど、それだとそうじゃないテラスタイプの子があまり良くないみたいに聞こえるような……」
「そんな事はないよ。自分の元のタイプと同じならその分威力が上がるし、他のタイプでも有利になるパターンはあるからね」
「例えば?」
ユウの問いかけに対してネモは笑いながら答える。
「炎タイプや毒タイプのように特定の状態異常を無効に出来るタイプでも良いし、水タイプが草タイプやドラゴンタイプ対策で氷タイプの技を持ってたみたいな時に偶然それに対して有利なテラスタイプだったみたいなパターンもあるから、どのテラスタイプじゃないといけないって事はないよ。要するに全てはトレーナーの力量や運次第って事だね」
「力量や運次第……運はあれとしても力量はどうにか出来るようにしないと」
「ソレハチシキヲフカメタリバトルノケイケンヲツンダリスルシカナイシ。ネモダッテソウシテキタンダシ?」
「まあそうだね。だからいっぱいバトルをすればもっともーっとポケモン達の事がわかっていくし、楽しいはずだから色々な人とバトルをしてみてほしいな。もちろん、私とでも良いよ!」
ネモが目を輝かせながら言う中、シュリは呆れたようにため息をついた。
「バトルズキモココマデクルトカンシンスルシ……タダ、バトルノケンニカンシテハ、コチラカラモオネガイシタイトコロダシ。イロイロマナベルコトハオオイシ、キガルニバトルガデキルアイテハキチョウダシ」
「うん、任せてよ! 私だってみんなのバトルから色々学びたいし、何より楽しみたいからね」
「あはは、ネモらしいね」
ネモの発言を聞いたハルトが笑っていたその時、クウという小さな音が部屋に響き、アオイが恥ずかしそうに俯いた。
「ご、ごめん……頭使ってたらお腹空いてきちゃって……」
「ふふ、可愛らしい音だったね。でも、たしかし頭使ってたからちょっとお腹は空いたかも……」
「体が甘い物を欲してるんだと思うよ。ちょっと待ってて。今、ちゃちゃっと作っちゃうから」
「あはは、なんだかごめんね」
「気にしないで、それじゃあ早速──」
その時、部屋のドアがノックされ、ユウは不思議そうな顔をしながらドアへと近づいた。そしてドアを開けると、そこには大柄な体格をピンク色のシャツで包んだ強面の男性が立っていた。