ポケットモンスター~偽竜の司令官~   作:九戸政景

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第七十六話

 東門から出たユウ達は道中で出会ったトレーナー達のバトルをしながらボウルタウンを目指して歩いていた。そしてバトルを終えてネモが嬉しそうに笑い、その姿にユウが苦笑いを浮かべる中、シュリは警戒した様子で周囲を見回していた。

 

 

「……ナンカキニナルシ」

「シュリ、どうしたの?」

「ナニカケハイヲカンジルキガスルンダシ。ユウタチハナニカカンジナイカダシ?」

「特には感じないけど……?」

「私も特には……あ、もしかしたらまた別のさいきょうの証持ちの子がついてきてるんじゃない? ほら、ミカヅチの時だってそうだったしさ」

 

 

 ネモの言葉にユウは納得顔で頷く。

 

 

「あ、たしかにありえるかも」

「さいきょうの証モチ……マタタベモノニツラレテヨッテキタンダシ?」

「いや、それはわからないけど……」

「まあたぶん後で近づいてくるよ。さて、この岩山を歩いていった先にボウルタウンがあるんだけど……マップを見た感じだとこの近くにヌシのすみかやスター団のアジトがあるみたいなんだよね」

「ヌシとスター団……一回関わった以上、見て見ぬふりっていうのは出来ないよね?」

「そうだね まあ先に出発したハルトとアオイがもしかしたらもう関わってるかもだけど、ボウルタウンに行くまでに行ってみる?」

 

 

 ネモの問いにユウは頷きながら答える。

 

 

「それが良いと思う。ペパー先輩の事情はまだわからないけど本当にひでんスパイスが必要みたいだから手伝いたいし、スター団の方も何か事情があるみたいだから話を聞いてみたいんだ」

「ソレハサンセイダシ。コノママホウチスルノモナンダカキモチガワルイシ」

「うん、わかった。それじゃあどっちから行く?」

 

 

 ネモの問いかけに対してユウは腕を組み始める。

 

 

「そうだなぁ……因みに近いのはどっち?」

「えーとね……岩壁のヌシっていう方が近いかな」

「岩壁のヌシ……また何かのポケモンの特徴なのかな?」

「そうだね……すぐに思いあたるのはガケガニかな」

「ガケガニ? どんなポケモンなの?」

 

 

 ユウが聞くと、ネモは笑みを浮かべながら答えた。

 

 

「ガケガニはまちぶせポケモンって呼ばれてる岩タイプのポケモンで、その分類の通り、崖の上から獲物を狙ってるポケモンなんだよ」

「な、なんだか怖いポケモンなような……」

「タダ、サカサマニナッテネラッテイルカラアタマニチガノボッテナガクハマテナインダシ」

「な、なるほど……」

「そういうところはあるけど、奇襲を受ける可能性はあるし、気をつけないとね」

 

 

 ネモの言葉にユウとシュリが頷いた後、ネモは満足げな顔をしながら前を向いた。すると、その表情は突然不思議そうな物へ変わった。

 

 

「あれ? 今、向こうで何か動いたような……?」

「どこ?」

「シュリニモミエナカッタシ」

「ううん、やっぱり何かいたよ。私、ちょっと行ってみる!」

「行ってみるって……ちょっとネモ!」

「ヤレヤレ……ダシ」

 

 

 走り出してしまったネモを追うためにユウが走り出す中、その後ろを小さな何かが追っていったが、その足跡は軽く焦げていた。

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