ポケットモンスター~偽竜の司令官~   作:九戸政景

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第七十九話

「このポケモン……たしかガラル地方の初心者用ポケモンの一体のヒバニーだよ!」

「それなのにどうしてここに……?」

 

 

 ユウが不思議そうにしていると、ヒバニーはコウを見ながら自分を指差し始めた。

 

 

「ヒバ、ヒバヒバ!」

「え、なに?」

「ジブンモタタカウッテイッテルシ」

「自分もって·······ガケガニと?」

「ヒバ!」

 

 

 ヒバニーはこぶしを固く握りながら頷き、その姿を見ながらコウは頷き返した。

 

 

「わかった。キミの力も借りるよ。ヒバニー」

「ヒッバ!」

 

 

 ヒバニーは大きく頷いてガケガニと向かい合った。そしてガケガニはユウ達を見ながら鳴き声を上げた。

 

 

「ンガニー!」

「ヒバニー、キミは好きなように戦っていいからね」

「ヒバ!」

「よし……リーフ、リーフブレード!」

「ニャオハ、このは!」

 

 

 二人の指示に対して二匹は頷いてからそれぞれの技を繰り出し、二匹の技が命中した後にヒバニーは足に炎をまといながらガケガニへ向けて走り出した。

 

 

「ヒーバッ!」

 

 

 三匹の攻撃を受けたガケガニの体はグラリと揺れ、そのままその場に膝をついた。

 

 

「ガニ……」

「い、今のは……」

「今のはニトロチャージだよ。炎タイプの技だから今はあまりダメージは与えられないけど、どんどん素早さを上げられるんだ!」

「イロイロベンリナワザダシ」

「なるほどね」

 

 

 ネモとシュリの言葉にユウが納得顔で頷いていると、ガケガニは頭をブルブルと振った。そして、大きな鳴き声を上げると、岩が幾つも現れ、それはリーフ達に降り注ぎ始めた。

 

 

「がんせきふうじダシ! リーフ、リーフブレードデオウセンスルシ!」

「ニャオハもこのはで砕いて!」

「ホロ!」

「ニャオ!」

 

 

 二匹は自分達に向かって降ってくる岩をそれぞれ砕いていたが、ヒバニーは軽やかな動きで岩を避けると、体をオレンジ色に光らせながら岩を力強く蹴り、それをガケガニにぶつけ始めた。

 

 

「ヒバ! ヒッバ!」

「ガニ! ガニ……!」

「これって……にどげり?」

「ソウダケド、アノヒカリハナンダシ?」

「なんだっけ、知ってるはずなんだけど……あ、それよりそろそろテラスタルしちゃおうよ!」

「う、うん!」

 

 

 返事をしながらユウがテラスタルオーブを取り出すと、ヒバニーはユウに近づき、再び自分を指差した。

 

 

「ヒバ!」

「もしかして……キミがテラスタルしたいの?」

「ヒバ」

「……わかった。行くよ、ヒバニー!」

「ヒバッ!」

 

 

 ヒバニーが返事をし、テラスタルオーブが光を放った後、ユウはテラスタルオーブを投げ上げた。

 

 そしてヒバニーは水晶に包まれたが、やがてそれは音を立てながら砕け、砕けた後には天へ向かって伸びる赤い拳のテラスタルジュエルを被ったヒバニーが立っていた。

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