『いただきます』
準備終了後、ユウ達は声をそろえて言った。そしてホムラ達が仲良く食べ始める中、ユウはサンドイッチをヒバニーとガケガニに手渡した。
「はい、どうぞ」
「ヒバ!」
「ガニ」
「まだまだ作るから足りなかったら言ってね」
「それは良いけど……ユウも食べてよ? ユウ、いっつも食べさせてばかりだし、ここまで歩いてきて流石に疲れてるんじゃない?」
ネモが心配そうに言うのに対してユウは笑みを浮かべながら答える。
「多少疲れはあるけどまだ平気だよ。それにちょこちょこつまんではいたからね」
「それなら良いけど……」
「さて、と……ガケガニ、キミもヌシって事はひでんスパイスを持ってるんだよね?」
ユウの問いかけにガケガニは食べる手を止めて警戒し始めた。
「ガニ……ガニ、ガニガニ!」
「アイツラミタイニウバウノカッテイッテルシ」
「ううん、そのつもりはないよ」
「ガニ?」
「クロハの時もそうだったけど、キミ達はひでんスパイスを大切にしてるみたいだし、先に来たペパー先輩達のように特別必要なわけじゃなくただ聞きたかっただけだしね」
「ガニ……」
ガケガニがユウを見つめていると、そこにクロハが近づいた。
「オト、オトオト」
「ガニ……」
「クロハはなんて言ってるの?」
「ユウハワルモノジャナイッテイッテルシ」
「クロハ……」
クロハの言葉にユウが嬉しそうな顔をしていると、シュリはガケガニに話しかけた。
「ガケガニ、テイアンガアルシ」
「ガニ?」
「シュリ?」
「ドウセマタひでんスパイスノウワサヲキキツケテダレカヤッテクルシ。ダカラココハユウニアズケルカタチニシテ、ガケガニモナカマニナレバイインダシ」
「シュリ……もう、そんな脅しみたいな事言って……」
「オドシジャナクテテイアンダシ。ソレデドウダシ? シュリタチトイッショニクルシ?」
シュリの問いかけに対してガケガニは一瞬考えた後、のしのしてどこかへ歩いていった。そして程なくしてガケガニが戻ってくると、その手にはひでんスパイスが握られていた。
「ひでんスパイス……それじゃあガケガニ……」
「ンガニ」
「イッショニイクミタイダシ。シュリテキニカシコイセンタクダトオモウシ」
「ユウだったらひでんスパイスを大切にしてくれるし、誰かに分けるとしてもその相手をしっかりと見てからだからたしかに安心だね」
「あはは……そこまで言ってもらえるのは嬉しいけど、ちょっとプレッシャーがあるなあ。でも、キミも加わってくれるのは嬉しいよ。これからよろしくね、ガケガ──」
その時、ヒバニーがユウの足をトントンと叩いた。そしてユウが視線を向けると、ヒバニーは自分を指差した。
「え? もしかしてヒバニー、キミも?」
ヒバニーは満面の笑みを浮かべながら大きく頷いた。
「ヒバ!」