「いきなり走り出してどうしたんだ……って、さっきのネルケって奴と生徒会長じゃねえか。こんなところまでご苦労なこったな」
「チーム・シェダルのボスのメロコか。いきなりボウジロウがこっちに来たんだが、おおよそ俺の気配でも感じたんだろうな」
「ああ、ボウジロウは何故かお前にも懐いてるからな。それで、そこの見慣れない奴は誰なんだ?」
メロコがジロリと睨むように見るとユウはビクリと体を震わせてからガチガチに緊張した様子を見せた。
「は、初めまして……ゆ、ユウです……」
「シュリダシ。ウチノユウヲアマリイジメナイデクレルトタスカルシ」
「い、イジメてねぇよ……あー、ユウ? だったか? 睨んで悪かったな」
「あ、いえ……僕の方こそ怖がってすみませんでした。メロコさんって優しい人なんですね」
ユウの言葉にメロコは驚いた後、面白そうにニヤリと笑った。
「お前、中々面白い奴だな。俺を見て優しそうだな印象を抱くなんて中々無いぞ?」
「そうですか? 見た目こそちょっと威圧感はありますし、話し方もちょっと荒っぽい感じですけど、この子のために追いかけてきたりすぐに謝ってくれたりしましたし、とても優しい人なんだなと思いましたよ」
「お前……」
微笑むユウに対してメロコは再び驚いた後、少し心配そうな顔をしながらシュリとネモに視線を向けた。
「なあ……コイツ、あまりにも危なっかしくないか? 良い奴なんだろうけど、ちょっと良い奴すぎる気がすんだけど……」
「ソレニカンシテハアッテルシ。ダカラ、シュリモソノヘンニハキヲツケテルシ」
「まあそれが良いだろうな。んで、ここには何をしに来たんだ? あのハルトやアオイみたいにカチコミに来たのか?」
「あ、いえ。僕達は話を聞きに来たんです」
「話?」
「うん。スター団の件についてね」
「話、ねえ……」
メロコは顎に手を当てていたが、やがて何か思いあたった様子を見せた。
「なるほど。ピーニャが言ってたのはお前達だったのか」
「ピーニャさんが?」
「そうだ。自分のところに生徒会長と料理が上手い転入生が来たって俺達に連絡が来ててな、少なくとも悪い奴らじゃねえから話くらいはしてやってほしいって言われてんだよ」
「ピーニャさん……」
「アイツもそこそこお人好しだが人を見る目はたしかだからお前達の事は信用してやっても良い。ただ、本当に話をするためにはもう一つ欲しいところだ」
「もう一つ……」
ユウが緊張で喉をゴクリと鳴らす中、メロコはボウジロウを抱きかかえた。
「俺とバトルをしろ。ユウと生徒会長の二人で俺にかかってこい」
「つまり、ダブルバトルをしろって事だね」
「そうだ。どうだ、お前達?俺に勝てる自信はあるか?」
「もっちろん! 良いバトルにしようね!」
「僕もせいいっぱい頑張るよ」
「決まりだな。それじゃあ行こうぜ」
その言葉にユウ達が頷いた後、一行はチーム・シェダルのアジトへ向けて歩き出した。