「お前達はスター大作戦って知ってるか?」
「スター大作戦ダシ? スターダスト大作戦ナラシッテルシ」
「スターダスト大作戦……ああ、お前達に協力を仰いだっていうカシオペアとかいう奴が考案した作戦か。スター団のボス全員の引退だなんて……まったくどこの誰なんだろうな、そのカシオペアってのは」
「それはわからないけど. そのスター大作戦はどんな作戦なの?」
ネモの問いかけに対してメロコは静かに答える。
「他のとこでも話は聞くだろうから手短に言うが、イジメっ子達との全面対決だ。団内で得意な点を持ち寄って立ち向かう力をつけようって感じでな」
「イジメっ子に立ち向かう……スター団の人達はスゴイなぁ」
ユウがうらやましそうに言うと、メロコは不思議そうに首を傾げた。
「何だよ? 生徒会長やあのハルト達のダチっていうならイジメには縁なんてないだろ?」
「イジメというか……カントー地方にいた頃にスゴくからかわれてきたんです。バトルが本当に苦手だったので……」
「バトル……そういえばさっきも途中からそのシャリタツとバトンタッチしてたな」
「はい……今は何度もバトルを経験して自信もついてきたんですが、パルデアに引っ越してくる前はあたふたするばかりで、いつもからかわれてたんです。永遠のバトル初心者とかバトルのバの字も知らない赤ん坊にも負けるんじゃないかとか……他にも色々な言われ方をされてきました」
「ユウ……」
「ソウゾウシテタヨリモヒドイイワレヨウダシ……」
ネモとシュリが心配そうな顔をする中、ユウは自身を心配そうに見るスター団のメンバーを見回しながら微笑んだ。
「だから、僕はスター団の人達はスゴいと思います。イジメに対抗するために団を作って、最終的には全面対決までしようとしたんですから。その熱意や行動力は本当に尊敬出来ますよ」
「……止めろよ。そういう言われ方、あまり慣れてねえんだ。けど、そう言われるのは悪い気はしねぇ。ありがとうな」
「どういたしまして」
ユウが微笑みながら言う中、メロコはやれやれといった様子で首を振った。
「ハルトとアイツのラウドボーンに負けた以上、掟に従ってボスには戻らねえ。けど、マジボスには一言伝えてやらねぇといけない事が出来た。だから、団には残る。ピーニャみたいに仮リーダーって形でのんびりやらせてもらうさ」
「メロコさん……」
「と言っても、俺達にも時間はねえけどな。アカデミー側から解散か退学の二択を迫られてる中でだいぶ待たせちまってるからな」
「やっぱり解散はないんですね」
「当たり前だ。スター団だってそうだが、スター大作戦だって俺達にとっては宝物だからな。マジボスが戻ってくるまでおいそれと終わるなんて出来ねえよ」
メロコが覚悟を決めた様子で言う中、沈黙を守っていたネルケは小さく息を吐いてから立ち上がった。
「さて、俺はそろそろお暇させてもらうぜ。良い話を聞かせてもらった事だしな」
「わかりました。あ、それなら……」
そう言うと、ユウは手早くサンドイッチを一つ作り、包んでからそれをネルケに渡した。
「ネルケさん、どうぞ。良かったら道中で食べて下さい」
「おお、またすまないな。さて……それじゃあな、お前達」
「はい」
ユウが返事をした後、ネルケは詰め所を出ていき、それと入れ違う形でハルトとアオイが中へと入ってきた。
「あ、いたいた」
「ハルト君、アオイちゃん」
「ここかなと思ったらやっぱりここだったんだね」
「うん。あ、そうだ······二人やコライドン、ミライドンも疲れたろうし、みんなも食べていってよ。色々話したい事もあるしさ。メロコさん、良いですか?」
「ああ、良いさ。断る理由もねえしな」
メロコが答えた後、ハルトとアオイは頷き、チーム・シェダルのアジトはしばらくの間、賑やかな声で満ちていた。