翌朝、ユウ達はそれぞれコライドンとミライドンに乗ってボウルタウンへと来ていた。そしてコライドンとミライドンをボールへとしまい、ボウルタウンの中に入ると、漂ってくる花の香りにユウはうっとりとした。
「良い香り……花と芸術の町っていうだけあって、色んなところから花の香りがしてくるよ」
「ここは草タイプのポケモンも多いしね。それに……ほら、周りをよく見ると芸術品もいっぱいあるよ」
「あ、ほんとだ。オブジェに彫刻がいっ、ぱい……」
周囲を見回していたハルトは不思議そうな顔をした。
「ハルト君、どうしたの?」
「……あ、ううん。見た事が無いはずなのに、何故か懐かしい感じがして……」
「前に旅行誌で見たとかは?」
「そうなのかな……まあそうなのかもね。さて、今日はジムに挑むわけだけど、ここのジムは草タイプのジムなんだったよね?」
ハルトの問いかけに対してネモは微笑みながら頷く。
「そうだよ。そしてセルクルジムでも使われたようにここや他のジムでもテラスタルは使ってくる。だから、どんな風にそれを突破するかが勝利のカギだよ」
「テラスタル……そういえば、セルクルジムではノーマルタイプのヒメグマを虫タイプにテラスタルしてきたけど、ここだとどんなポケモンをテラスタルしてくるんだろう?」
「それはバトルの時までのお楽しみだよ」
「ソレガイイシ。サア、ハヤクジムマデイク──」
「む? おお、皆さんではありませんか!」
「え?」
突然聞こえてきた大声に体をビクリと震わせてからユウ達が振り返ると、そこにはニコニコ笑うハッサクと青白い顔をした男性が立っていた。
「あ、ハッサク先生。おはようございます」
「はい、おはようございますですよ。皆さんはこれからジムに挑戦ですか?」
「はい。あの……そういえば、隣の方は?」
ユウが視線を向けながら聞くと、青白い顔をした男性はユウ達を見回してから口を開いた。
「このボウルタウンのジムリーダー、コルサだ。ハッさんから将来有望な思春期どもがいると聞いていたが、どうやら貴様達の事だったようだな」
「将来有望……」
「はい。バトルは小生が勝たせてもらいましたが、ユウさんとアオイさん、そしてシュリさんのバトルには光る物を感じましたから」
「ハッさんは優しいが、バトルに対してはストイックでお世辞などは言わない。ハッさんにそう思わせたのならば期待しても良いのだろう」
「ええ、楽しみにしていて下さい、コルさん。では、我々は先にジムに行っていますね」
「待っているぞ、貴様達」
そしてハッサクとコルサが去っていくと、その姿を見ながらユウは呟いた。
「あの人がジムリーダー……なんだか強そうな人だね」
「うん。でも、あの人を倒さないとバッジは手に入らないし、頑張らないと」
「そうだね。よし……行こう、みんな」
ハルトの言葉に頷いた後、ユウ達はジムに向けて歩き始めた。