審判の声が響き渡り、ギャラリーから歓声が上がると、ユウは緊張の糸が切れた様子でふぅと息をついた。
「か、勝てたぁ……」
「コンカイモギリギリダッタシ……タダ、ショウリハショウリダシ。ココハスナオニヨロコンドクシ」
「うん、そうだね」
シュリの言葉にユウが笑みを浮かべながら答えていると、そこにネモ達が近づいてきた。
「ユウ! シュリ! お疲れ様!」
「あ、ネモ」
「もう、スッゴく良いバトルだった! リーフもホムラも頑張ってたし、スーッごくカッコよかった!」
「ネモの言う通りだよ。二匹とも頑張ってたし、ユウとシュリも頑張ってた。サンパワーを封じられていた中だったのにね」
「あれは観てるこっちもハラハラしたよね。その上、みがわりも使われてたし……」
アオイの言葉にシュリは頷く。
「ダシ。コンカイハヨリホジョワザノタイセツサガミニシミタシ。ユウ、イロイロナワザニツイテマナブキカイヲツクルシ。ホムラトリーフハトリアエズコノママデイイケド、ホカノポケモンタチノバアイ、ナニカオモイツククミアワセガアルカモシレナイシ」
「うん、そうしようか」
ユウが頷きながら答えていたその時、コルサとハッサクがユウ達に近づいた。
「ユウ、シュリ」
「コルサさん、ハッサク先生」
「今のバトルは……実にアバンギャルドだった!」
「あ、アバンギャルド……?」
「前衛的、要するに既存の価値基準を覆すような物だったというわけですよ」
「ただトレーナーが指示を出してポケモンがそれに従ってバトルをするのではなく、トレーナーとポケモンのコンビで指示を出し、共に勝利を掴む! 人間の言葉を操るシャリタツとだからこそ可能にした芸術的なバトルだったぞ! ユウギャルド! シュリギャルド!」
「ゆ、ユウギャルド……?」
「ナンデモギャルドヲツケレバイイワケジャナイトオモウシ……」
ユウが困惑し、シュリが呆れたように言う中、コルサは興奮した様子でハッサクに視線を向けた。
「ハッさん! この感動と興奮を共に作品にしようではないか!」
「おお、良いですな! ポケモン達の回復を待つ間、構想を練りましょう!」
「うむ! だが、その前に……ジムバトル勝利の証、くさバッジをくれてやろう。これからも邁進するのだぞ、貴様達!」
「は、はい!」
「ではな、思春期ども! また後程会おう!」
そしてコルサとハッサクが去っていくと、その姿を見ながらユウは苦笑いを浮かべた。
「あはは……なんだか自由な人だね」
「ゲイジュツヘノジョウネツガバクハツシテルシ……」
「だからこそ芸術家を続けられるんだろうね。さて、私達もまずはポケモン達を回復させに行こうか。その後は……まあちょっと腹拵えでもしようか。シュリもさっきのバトルの反省会したいでしょ?」
「モチロンダシ。サア、サッサトイクシ!」
シュリの言葉に頷いた後、ユウ達はポケモンセンターへ向けて歩き始めた。