すでにここから壊れているとか違うという苦情は知りません
夢を見る。
いつも見る変わらない
倒壊したビル群、パラパラと落ちてくるガレキ、今も消えない火の手が壊れた世界を照らしている。
めくれ上がり歩くことを困難にさせるアスファルト、そこらかしらに散乱する腐敗した
じくじくと
一歩足を踏み出すたびに着けられた首輪に付随している鐘から凛とした音が奏でられ、折れそうになる心に活を入れてくる。
『やだやだやだやだやだっ!!……たすけ……』
巨大な手に体を貫かれた人間が、残された腕を伸ばして血をまき散らしながら助けを求める。
『さっさと行けよ。くそったれ』
下半身を失い内臓を床に広げたまま銃を向けてくる人間。
『死にたくない』『熱い熱い熱い』『まだ生きていたい』『パパ、ママ』
火に巻かれ崩れていく託児所から聞こえる人間の声。
するりと通り抜けていってしまった人間の魂の声に歯を食いしばり前に進んでいく。
今も轟々と吹く風の中を。
落ちないように紐で括られた体のまま耳を打つ風の音に、覚醒していくぼんやりとした頭を早く起こすように目をこすりながら変わっていないであろう景色を目にして驚きの声を上げる。
「わぁ……」
空から見下ろす白亜の城壁に囲まれた『オラリオ』、その中央から天高く聳え立つ『バベルの塔』、空に浮かぶ鳥のような形をした謎の白耀の建造物。
「お姉ちゃん!見えてきたよ!」
「んー、そうね。それじゃそろそろ騒ぎになっちゃうから一度降りましょうか。
ぎゃうと一声なくとベルと姉を乗せた黒き龍は草原へと音もなく降り立ちしゅるしゅるとその身を小さくさせていく。
姉はがらごろとキャリーバックを手に、ベルは背負い袋を担いで、ペニテンスは
「ン―――……お姉ちゃんはオラリオに着いたら商品を卸す場所を探すつもりだけど、ベルはどうするの?やっぱりあの
大きく伸びをすれば腰ほどに伸びた白い髪が風に流されて大きく広がりながら自身で編み込んだ刺繍がワンポイントになっている服を撫ぜる様にゆっくりと降りていく。
瞳はベルと同じようで少し違う血の色を現したような輝く宝石の様だった。
「お姉ちゃんはなんでおじいちゃんに辛辣なの……でも、おじいちゃんは教えてくれたんだ。それが男が目指すべき「大きな夢」なんだって」
握りこぶしを作り空高く聳える夢を見るようにバベルを見上げ、その瞳はキラキラと輝いていたのだが、姉はその輝く瞳を見ながら冷や水を掛けるような言葉を返す。
「それベルが女の子の逆ハーレムに組み込まれても嬉しい?一人の女子に侍らされる他の男と同じようにそのうちの一人だって言われて嬉しい?」
「う……それは……」
姉の言葉にベルはそんな場面を想像して言葉を詰まらせる。
好きになった人が別の男の話を綻んだ笑顔で話す様を、他の男と一緒に食事しながら談笑する様を、僕以外の男を褒める姿を想像して、心の中にもやもやがこびりついていく。
「ベル、あなたのハーレムっていうのはそういうことを女の子たちにしますっていう宣言なのよ。それをよく考えてから、それでも目指したいというならせめて自分を好きになった子を悲しませない方法を探しなさい」
いつの間にか俯いていた額にこつんと指先を押し当てられ、前を向くように力が込められる。
視点が草の生い茂る緑の草原から姉と眼前に現れる城壁、冒険者になるためにやってきた、出会いを求めてやってきた冒険者の街、オラリオが目に映る。
夢の否定から溢れそうになる涙を拭ってもう涙がこぼれないようにまっすぐに前を向く。
僕の夢はここからだ。
そう思っていた時期が僕にもありました……あれからオラリオに着いて早八時間中央広場の噴水に腰かけて黄昏ていた。
冒険者になるためのギルドに向かい冒険者になるには
ファミリアに入るために様々な神様の拠点に向かうのだがかれこれ五十件を超えて門前払いをされてしまい肩を落としているのだった。
『すまないが、今は新規の団員を募集していなんだ。悪いが募集期間に来てくれ』
『(筋肉を盛り上がらせポーズを取らされ)うむ、伸びしろは悪くない筋肉だがまだまだ鍛錬が足りん、もっと鍛えてからくるのだ。筋肉は努力の証それが未熟では入団はさせられん』
『入り口はこの建物の股間だ……うん、そうだよな嫌だよな』
『は、てめぇみてぇなガキが我らが女神の寵愛を受けたいだと?ふざけるな』
『あらん、可愛らしい……そんなにも逃げなくたっていいじゃない』
断られるにしても募集をしていないとか、鍛えていないからと最初から篩にかけられたのであればまだ納得もできた。
でも大半は僕の背が高くなく、何も武器を振るう技術を持ってなさそうだからとペットにしたいとかいうのはどうなのだろうか。
「(さすがに下着姿で女性口調で話すすごい筋肉のあの人は僕の方から逃げたのだけど)」
すぐに入れると思っていた、すぐにダンジョンへと潜り活躍できると思っていた、想像していたような出会いもすぐにあるものだと思っていた。
でも、現実は非情で僕は溜息をつき
「少年、落ち込んでどうしたのかな?」
ポンと肩に手を置かれて目の前に男性がたっていて僕を心配そうに見ていることに初めて気が付く。
「あ、えっと……」
服装は魔法使いのように黒のローブに身を包んだ黒髪の男性で手には飾り気もないただの棒を持っていた。
言い淀んでいると隣に腰かけ、噴水の前でも売っているじゃが丸君を差し出してきたことで漂ってくる香りにお腹が思わず「ぐぅ……」と情けない音を出す。
「はっはっは、なに遠慮しなくていい。大方田舎から出てきて冒険者になろうとしたけど入団できなかったってところかな?」
「……うっ……」
そのままズバリな言葉とお腹の音に笑われたことに恥ずかしさと情けなさに言葉に詰まってしまう。
モムモムと萎れながら食べながら頷く。
「なら団員もまだ三人と少ない弱小(?)なファミリアだが、うちに来るかね?」
その言葉はまさに天恵に違いなかった。
僕はその言葉に飛びつくようにまだ名前も知らない男性のファミリアに入ることにしたのだった。
当然のように歓迎された後に「疑うことを知らずに詐欺にあいそう」と姉に叱られてしまった。
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか?
数多の階層に分かれる無限の迷宮、凶悪なモンスターの坩堝。
富と名声を求め自分も命知らずの冒険者達に仲間入り、ギルドに登録していざ出陣。
手に持つ剣一本でのし上がり、末に到達するのはモンスターに襲われる美少女との出会い。
響き渡る悲鳴、怪物の汚い咆哮、間一髪で飛び込み翻る鋭い剣の音。
怪物は倒れ、残るのは地面に座り込む可愛い女の子と、クールにたたずむ恰好のいい自分。
ほんのりと染まる頬、自分の姿を映す潤んだ綺麗な瞳、芽吹く淡い恋心。
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているのだろうか?
結論、僕は間違っていなかった。
「後ろ後ろ!来てる来てる!もっと速く走りなさいよぉっ!!」
間違ってはないんだけどなんか違う。
「ンン……メ゛エ゛エ゛エ゛ェェェェェェッ!!」
ザゴシュゥって音と共に背後の空間が壁ごと寸断され、二つの角を持つ剛毛に下半身を覆われた
「なんでっ!5階にミノタウロスなんているんだよぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
牛頭じゃなくて山羊頭なのは僕の聞いた情報が間違ってたのか、僕の覚え間違いだったのかそれはもうどうでもいい、実際襲われてるんだから。
石造りの迷宮のように変わってから魔石光ではなく壁掛けたいまつに変わったかと思えば、ゴブリン達に囲まれた女性の悲鳴が聞こえてそこに急行した。
ゴブリン達を背後から一閃で二体を倒し、そのまま戦闘に入り残りの三体を僕的には華麗に……泥臭く倒して、悲鳴を上げていた子を見れば金髪のツインテールが肩にかかっていて、服は太ももにかかるくらいの白い異国の上着しか来てない感じ。
群青色の瞳が助けた僕を睨んでた。
悲鳴上げてたから助けに来たのに……あんまりだ。
そしてその背中にはちょうちょの羽が二対、そして背がそれはとても小さくて手のひらサイズ。
「ふ、ふんだ。あのくらい私一人でもなんとかなったんだから!」
「いや、さすがにあのサイズ差じゃ無理だったんじゃ……」
「うっさいわよ!あんた弱そうだから仕方なくついて行ってあげるわよ!」
「え?な……」
なんでそういう話になったのか、なんでついて来ようとしたのかそれはわからないけど、これも確かに出会いなんだろう。
「
頭の上にポスンと居座りそこから離れるつもりはないようだ。
「(どうしよう、このまま連れ帰ってもいいんだろうか……?)」
彼女はなんなのだろうか?喋るモンスターなんて聞いたことがないし、当然見たこともない。
オラリオには数多の種族のヒトが集う街ではあるものの
その可憐さはまるで物語で読んだような妖精や精霊のようでありながら、手のひらサイズというのは聞いたことがない。
「ほら、とっととこんな
僕の頭をペシペシと叩いて先に進むことを催促して来る女の子。
その言葉に僕はマ石を回収しようとゴブリンの死体を見るが初めてダンジョンに潜った時に見たゴブリンとは違う赤銅色をしたゴブリンはいつの間にか見当たらず、流れていたはずの血も存在していなかった。
「あれ?」
落ちているのは紫色をした丸い石。
「あ、魔石が落ちてるじゃん。もらっていこ」
「え?僕の知ってるマ石とちがう……」
マ石は丸くなくて水晶みたいな形をしていてもっと透き通るような紫色をしていて、オラリオのギルドでお金に換金できる。
そしてマ石がエネルギーを引き出して家庭で使われている便利な道具を動かすために使われていたもののはず。
ポシェットから一つ取り出し見比べてみるが丸と結晶体ではやはり形が全然違う。
「生体マグネタイト結晶石もあるんだ。あんたデビルサマナーだったの?でも魔石知らないってことは新人ね!このカハク様がいろいろと教えてあげるわ!」
えっへんと喜色満面でいるカハク、そして後ろからズシンと重々しい足音が響く。
その足音に僕たちは壊れたブリキの人形か、油でもさし忘れた機械のように音の出どころへと視線が向かう。
そして冒頭の追いかけっこが始まるのだった。
逃げる。逃げる。逃げる。逃げる。脱兎のごとく遁走をする。
振るわれる鎌は片手で振るわれているのに岩で作られたダンジョンの壁を紙のように容易く切り裂き、狭さが障害にすらならない。
鎌を持たない空いた片手から黒煙が線上に走り逃げ場を狭め、それの残り香をかぎ取ればお姉ちゃんが醸し出す『絶対に触れてはいけない』攻撃に雰囲気がひどく似ていた。
「その煙!呪詛の塊!触れちゃダメだからね!」
「じゅそってなにさぁっ?!」
倒れるような前傾姿勢で全力疾走をしながら叫び声をあげ、床を蹴り飛ばして壁を駆ける。
「ンンン……
その後ろから一つ力強い足音とともに床が粉砕される破壊音、空気が破裂する音と一緒に連続して僕の走る壁に一つ二つ三つと刺突が壁を粉砕していく。
その破壊に巻き込まれて床に叩きつけられるが転がるように勢いを殺さずに手をつく勢いで即座に起き上ってスピードを維持したまま駆け抜ける。
「ほにゃああぁっ!?」
髪の毛をつかんで上下に揺さぶられる悲鳴が聞こえるけど頭を押さえるようにして落ちないように注意しながら、訓練でいつもやられる事を思い出す。
棒で足を引っかけられて転ばされたらすぐに起き上がらないと追撃の突きが鳩尾か背骨に容赦なく叩き込まれる、そんな訓練を思い出す。
「んぎぃっ!」
それでも走る速度が落ちていたのか背中に鋭い痛みが走る、薄皮だけではなくしっかりと肉を切り裂く危険信号が頭に走る。
一歩進む、腕に裂傷が走る。二歩進む、脹脛が削れる。三歩進む、肩が抉れる。四歩進む、首筋の切り傷から血が溢れる。五歩進む、二の腕が掴まれる。
掴まれるまま肉を走る力に任せて引きちぎりながら眼前の光の中に飛び込む。
皮がべろりと垂れ、筋肉もブチブチと音を立てて鮮血を撒き散らし、ダンジョンの床を赤色に染め上げていく。
光に渦の先から金色の異形の双眸が僕をまっすぐと見つめていたが、僕の視線を確認したのか山羊頭のミノタウロスはその口を嗤う様に歪める。
そのうち光の渦は消えてなくなる。
光の渦が消えて壁に凭れ掛かりズルズルと尻もちをつくが、そんな僕たちに影がさしかかる。
「へ?」
その影に顔を上げると牛頭の筋骨隆々なモンスターが拳を振り上げられていた。
~~邪神たちの行動~~
「テルスキュラというところをわたしは貰おうかしら」
カーリー派閥終了のお知らせ
「アンタレスか、ふむ少し手を加えてみようかの」
アルテミスハードモード
「むふー」
「これが世界の真実!極彩色の景色!私にも私にも色を美しいと感じられるようになりましたぞぉぉぉぉぉぉっ!我が神よぉっ!」
なんかヴィトーさん拾われる
「じゃラキア王国貰うわね、戦争というものを楽しませてもらいましょう」
アレスの国乗っ取られる
「クノッソスを機械化してみるとしよう、対抗になれるかは知らんがな」
イヴィルス終了のお知らせ
カハク
華魄は、中国に伝わる木の精の一種。首つり自殺を3人以上がした木に、自殺者達の生前の無念が凝り固まって誕生すると言われる。
掌サイズの大きさで、肌の白い美女の姿をしている。 その鳴き声はインコに似ているとされる。 そのまま放っておくと干からびるが、水をかけると元通りになると言う。
大種族:鬼族 小種族:地霊 属性:NーN
初期所持魔法:アギ、ディア
大種族
主に三身合体時の判定に使われる振り分け
A+B+Cで結果を算出するが例としてA妖鬼B地霊の時Cにアーシーズを掛け合わせ1ランク上げた結果が産出される
会話時に大種族による割込みが発生することもある
小種族
基本的に振り分けられる種族群
この作品では天津神、国津神、魔神、女神、鬼神、地母神、邪神の一部、死神、魔王の一部などがモンスター(アクマ)として登場しない